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ドローンでの測量に資格は必要?ドローン測量士になる方法とは

2020年2月26日

ドローン測量士になる方法

こんにちはー!高校の時は地理選択でした、K-ki(K-ki@Ailerocket)です。

ドローンの活用と言えば真っ先に「空撮」が思い浮かぶ人も多いかと思いますが、実際には空撮の市場規模は大きくなく、農業や設備点検などの分野の伸びしろが大きいと言われています。

そんなドローンの活用分野として今後伸びることが予想されているものの一つに「測量」があります。今回はこのドローン測量に焦点を当て、ドローン測量士になるための方法を紹介していきます。

ドローン業界の市場予測

ドローン測量士はドローンを活用したビジネスの一分野です。今後の展望を知るためにも、まずはドローン業界の市場予測を確認してみましょう。

国内のドローンビジネス市場規模の予測(2019)
国内のドローンビジネス市場規模の予測 - ドローンビジネス調査報告書2019より

インプレス総合研究所が発行している「ドローンビジネス調査報告書2019」よりデータを引用させていただきました。この予測は2018年度までのデータから算出されており、これによると2024年度には2018年度の約5.4倍までの成長が見込まれているそうです。ドローンが世間に広く認知され始めたのは2015~2016年あたりのことで、2018年度の時点でその頃に比べるとすでに著しく成長していることが分かります。

もちろん、上記はあくまで予測であり、必ずしもこの予測どおりになるわけではありません。ただ、少し古い2017年版のデータも見たことがあるのですが、多少上方修正されているものの、大きな差はないようでした。従って、ある程度の信頼はしても良いでしょう。

多くの人の認識通りの結果だとは思いますが、「空の産業革命」とも言われるドローンビジネスの成長は著しく、今後もしばらくは拡大が続きそうです。

国内のドローンサービス市場のうち約1割は測量分野

国内ドローンビジネスの市場規模が拡大傾向であることは分かりました。では、「ドローン測量」という分野はどうなのでしょうか。同じくインプレス総合研究所のドローンビジネス調査報告書2019よりデータを引用して確認していきましょう。

ドローンサービス市場の分野別市場規模予測(2019)
サービス市場の分野別市場規模 - ドローンビジネス調査報告書2019より

ドローン測量分野は、先ほど紹介した国内のドローンビジネス市場規模の予測では「サービス」に内包されます。サービス部門に絞って分野別の市場規模を示したグラフが上の図です。過去のデータと照らし合わせて確認した結果、この中の「土木・建築」分野が測量に相当するようです。

2018年度の時点で、サービス部門全体の市場規模362億円に対し、測量分野の市場規模は36億円と概ね1割を占めています。今後、農業や点検分野がかなり急速に伸びるのに比べると測量分野の伸びはやや緩やかではあるものの、右肩上がりの成長を続け2024年度には市場規模219億円、2018年度の6倍まで伸びる予想なので、十分な成長産業と位置づけられます。ドローン測量士を目指すのは、悪い選択ではなさそうです。

ドローン測量士の業務内容

ドローン測量士の未来は明るそうですが、具体的にはどのような仕事をするのでしょうか。

従来の測量方法:トラバース測量

測量のイメージ画像

皆さんは測量と言うと、どんな仕事を思い浮かべるでしょう。この写真のような三脚の上に載せた機材で、何かを図るというイメージではないでしょうか。これは「トラバース測量(多角測量)」という手法です。

三角形の形と大きさは、2辺の長さとその間の角を知れば一意に定まります。この特徴を利用し、位置のわかっている基準点からある方向へ折線状の測量路線を設けて、折線の各辺の長さと、隣りあう2辺のなす角を測定すすることで、各頂点の位置を求める方法です。

この方法には人手が大量に必要となるため、測量範囲が広くなると時間・人件費が膨大になるのが欠点でした。また、起伏の激しい地形や急斜面の測量では、距離を正確に測るのば難しくなる問題点もあります。

ドローンを使う測量方法

こういった背景を踏まえ、近年注目を浴びているのがドローン測量です。ドローン測量の手法は、「写真測量」と「レーザー測量」の2つに大別されます。

いずれの方法でも、従来の測量方法に比べると短時間で広範囲の測量ができるため、測量に必要な人員を削減することが可能です。人件費や人手不足という従来の問題点を解決できるため、今後はドローン測量が果たす役割は非常に大きくなると考えられます。

また、人間の立ち入りが難しい場所でも、ドローンなら上空からデータ取得し、測量できるのも大きなメリットです。

写真測量

写真測量は、ドローンで上空から写真を撮影することで測量する手法です。ドローンで撮影した写真は、測量用のソフトウェアで処理され、写真上の像の位置ズレをなくして真上から見たような傾きのない「オルソ画像」に変換されます。さらに、データ解析により3次元地形モデルの作成まで可能です。

従って、写真撮影の場合のドローン測量士の仕事は、ドローンを飛ばして空中写真を取ることと、取った写真を処理してオルソ画像や3時点地形モデルを作成することです。もちろん、ドローンを飛ばすための各種調整や計画の立案なども業務内容になってきます.

レーザー測量

レーザー測量は、ドローンによる測量方法の中でも今後伸びてくると考えられている手法です。ドローンを使って上空から地面にレーザーを照射して地形データを収集します。

写真測量に比べると、より詳細なデータが取得できるため、森林などの上空で測定した場合でも植物の影響を除いた地表面のデータが取得できる等の強みがある一方、まだまだ測定機材が高価で手を出しにくいというデメリットがあります。

業務の内容としては、写真測量の撮影部分がレーザー測量に変わるだけで、基本的にはほぼ同じです。ただし扱う機会が高価なため、より責任が重い仕事と言えるかもしれません。

ドローン測量士になるために必要な資格

ドローン測量士の本質は、あくまで「測量士」です。ドローンを飛ばすのは測量のためであり、手段でしかありません。

資格面でもその本質が強く現れており、必要な資格は測量関連のものだけです。いずれも国家資格であり、取得の難易度も比較的高めになっています。

参考公益社団法人日本測量協会 測量士・測量士補の資格のページ

測量士

測量士は、測量に関する計画を作成または実施することが仕事で、国土地理院が認定する国家資格に定められています。年1回、国家試験が行われており、受験資格に規定はないため誰でも受験可能です。

国家資格の合格率は約10%と難関ですが、大学、短大または専門学校で測量に関する科目を履修して卒業し、大学卒で1年、短大・専門卒で3年以上の実務経験を積めば、試験を受けなくとも取得できます。また、後述する測量士補の資格を取得後に、国土交通大臣の登録を受けた測量に関する専門学校・養成施設において、高度の専門知識と技能を習得することでも測量士の資格を手に入れることが可能です。

測量士補

測量士補は、測量士の作成した計画に従って測量するのが仕事で、測量士と同じく国土地理院が認定する国家資格に定められています。毎年、5月中旬頃に国家試験が行われ、合格することで資格の取得が可能です。

測量士補になるための国家試験は、合格率約20%で測量士と比べると多少合格率が高いですが、やはり難関資格と言えます。ただし、測量士同様に国家資格を受けずとも資格を取る方法があります。大学で測量に関する単位を取得して卒業した場合や、高等専門学校の土木科等を卒業した場合、そして測量に関する養成施設で1年間の知識および技能教育を受けた場合が該当します。

ドローン測量士が持っていると役立つ資格

ドローン測量士になるために必要な資格は測量関係のものだけでしたが、持っていると役に立つ資格には測量以外の分野のものも多いです。

普通自動車免許

ドローン測量士になるために実は重要な資格は、自動車の免許です。測量という仕事の性格上、僻地に移動することもあり、自動車を運転できないと話にならないのが実情のようです。

第三種陸上特殊無線技士

使用するドローンが大型・産業向けの場合は、5.7GHzという周波数帯の電波を使用する場合があります。5.7GHz帯の電波は、電波法により取り扱うためには「第三種陸上特殊無線技士」の資格が必要です。

使用する機体に依存するところではありますが、扱える機体が増えれば当然デキる仕事も増えるので、持っていれば有利と言えるでしょう。

ドローン操縦の民間資格

ドローン測量士はドローンを扱うため、ドローンの操縦に関する資格を取得していれば、操縦技能のお墨付きがあるわけなので有利になります。ただし、ドローンの操縦資格は種類が多く、マイナーなものを持っていてもその価値をあまり認めてもらえないかもしれません。

ドローンの資格にはどんな種類がある?JUDIA・DPA・DJIほか
ドローンの資格にはどんな種類がある?JUIDA・DPA・DJI等を解説

ドローンの操縦に関連する資格について、認定団体や法的背景も交えて分かりやすく解説しています。種類が非常に多いドローンの資格の中から、実用性の高いものを抽出し、取得方法、費用、有効期限、受講資格などを紹介します。

こちらのページでドローンの資格について紹介し、知名度・実用性が高いものを紹介しているので、ドローン操縦の資格を取る場合にはぜひ参考にしてください。

ドローン測量士に必要な知識・技能

さらに、資格というレベルではないものの、ドローン測量を行うにあたって持っていると役に立つ知識・技能も紹介します。これらは最初からもっていれば有利でしょうが、実務経験とともに身につけていけば良いでしょう。

ドローン測量支援ソフトを使いこなせること

ドローンを使って撮影した写真から、オルソ画像や3次元地形モデルを作成したり、レーザー測量したデータを解析したりと、測量士にはドローンを使って計測したデータを解析する能力が必要です。

法令を正しく理解し飛行許認可を取得できること

ドローンを飛ばす場合には、航空法の規定に基づき、国土交通省への飛行許可申請が必要になる場合があります。関連する法令を理解し、ドローンを飛ばすことも含めた測量計画を立てそれを実施できる能力が、ドローン測量士には求められます。

ドローン操縦のルール・法律を解説
ドローンの飛行に免許・資格は必要?操縦に関するルール・法律を解説

ドローンを飛ばすための資格・免許の必要性や関連する法律を紹介します。また、ドローンを飛ばすために許可・承認が必要になる事例を解説します。ビジネスでよく利用されるドローン操縦の民間資格についても実用性の高いものを紹介します。

ドローンを飛ばす際のルールについては、こちらのページで紹介しているので、あわせて読んでみてください。

ドローン操縦の資格はドローンスクールで取得できる

ドローン操縦士になるためには、測量士や測量士補の資格を取得することは必須です。その上で、周りに差をつけるアピールポイントの獲得を目指すとすれば、ドローン操縦の資格を持っておくことは有効な手段になるでしょう。

ドローン操縦の資格は、ドローンスクールで講習を受講して取得するのが一般的です。

主要な資格

ドローン関連の資格には多くの種類があることは既に紹介しました。その中でも、知名度・実用性が高い資格として、以下の3つをおすすめします。

ポイント

ドローン操縦の資格の中でもおすすめなのは以下の3つです。

  • ドローン操縦士協会(DPA)が発行する「ドローン操縦士回転翼3級」他
  • 日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が発行する「無人航空機操縦技能証明証」他
  • DJI JAPANが発行する「DJIスペシャリスト」他

知名度が高いため、講習を受講できるドローンスクールの数も豊富で、比較的取得しやすいと言えるでしょう。

ドローンの資格をおすすめの4種類から選ぶ方法
ドローンの資格はどれがおすすめ?主な資格4種類の目的別の選び方

多数あるドローンの資格から主要な4種(JUIDA、DPA、DJI JAPAN、ドローン検定)について、長所と短所を比較しながら取得すべき資格の選び方を解説します。また、資格取得のメリットやそれぞれの資格を取得するためのスクールも紹介します。

これらの中からさらにどの資格を取得するかを真剣に絞り込むなら、こちらのページも読んでみてください。

主要なドローンスクール

どの資格を取得するかと同じくらい重要なのが、どのドローンスクールで資格を取得するかということです。ドローンスクールによって取れる資格も料金も資格取得後のアフターサービスも千差万別なため、じっくり選ぶことをおすすめします。

ドローンスクール比較 おすすめを紹介します!
ドローン操縦スクール比較!取得資格や受講コースからおすすめを紹介

ドローンスクールで資格を取る際に湧く疑問を徹底解決します。ドローンを飛ばすための資格の必要性から始まり、資格を取得するメリット、実用性の高い資格、ドローンスクールの選び方、おすすめのドローンスクール等を解説しています。

こちらのページでドローンスクールの選び方と、それを踏まえたおすすめのドローンスクールを紹介しています。資格取得に向けて動き出す際は、ぜひ参考にしてください。

助成金の対象になる場合もある

既に何かしらの企業に所属して測量の業務をしている人が、キャリアアップを目指してドローン操縦の資格を取得する、という場合には、厚生労働省が支給する「人材開発支援助成金」の対象になる場合があります。この制度を利用すれば、ドローンスクールの受講費に対し、実質的な負担額を半額程度まで抑えられる場合もあります。

ドローンスクールで資格を取る時は人材開発支援助成金を受給すべし!
【事業主向け】ドローンスクールで資格を取る時は人材開発支援助成金を受給すべし!

ドローンスクールで操縦資格を取得する際、要件を満たせば厚生労働省の人材開発支援助成金が支給されます。この助成金制度について解説し、申請するための条件や助成額の計算法やケーススタディ、申請の手続き方法などを紹介します。

人材開発支援助成金の制度については、助成額がいくらになるかの具体的な計算例も含め、こちらのページで詳しく解説しています。助成金の申請を検討している方はぜひ参考にしてください。条件を満足する場合は、ぜひ助成金を申請し、低コストでの資格取得を狙ってみましょう。

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K-ki

著者:K-ki 子供のころに作った模型飛行機がきっかけで航空宇宙の世界に足を踏み入れたエンジニア。HNは「けーき」と読みます。 好きなものは航空機(固定翼・回転翼・ドローンなど全般)と生き物・アクアリウム。

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