ドローンの法律・ルール

【電波法編】ドローン関連の法律解説!技適マークと周波数に要注意!

ドローン関連の法律を解説!電波法編

こんにちはー!ドローンの自作が好きなK-ki(K-ki@Ailerocket)です。

ドローンを飛ばす際、あるいはドローンを作る際には、当然ながら法律を守る必要があります。しかし、ドローンに関連する法律は数が多く規制内容も様々なため、複雑でわかりにくいのが現実です。

実際、ここ数年はドローン関連の摘発事例が非常に増えています。ドローンが普及したというのも理由だとは思いますが、それに対してドローンパイロット側の法律に対する理解が追いついていない面もあると思います。

そこで今回は、ドローンを規制する法律の中から「電波法」について、規制内容を解説し、よくある間違いや違反事例も紹介します。ドローンパイロットはもちろん、K-kiの用にドローンを作る人にも影響のある法律です。法律を守って安全にドローンを飛ばすため、ぜひ勉強していってください。

ドローン飛行に関する法規制の概要

はじめに、ドローン飛行に関連する法律を一覧にまとめておきます。K-kiが知る限りでは、以下に示す法律がドローンの飛行を規制する可能性があります。

また、以下のページではドローンを規制する法律の全体像をつかめるように、ドローン飛行を規制する法律を浅く広く解説しています。

ドローン飛行の法律・規制まとめ
ドローン飛行の法律・規制まとめ!航空法だけじゃない複雑なルールを解説

ドローンの飛行は航空法、電波法、小型無人機等飛行禁止法など多数の法律で規制されており、どの場面でどの法律が適用されるのかもわかりにくいです。ドローンパイロット・エンジニアのために、ドローン関連の法律を網羅的に紹介します。

K-kiは航空機の専門家ではありますが法律の専門家ではないので、もしかすると見落としがある可能性があります。また、状況によって法律は変化していくため、今後上記以外の法律でドローン飛行に対する規制が設けられる可能性があることも頭の片隅に留めておいてください。

注意

上記の通りK-kiは法律の専門家ではないため、以下の内容について正しさを保証することはできません。できる限り間違いのないように書いてはいますが、間違った情報で損害を被られたとしても、責任を負うことはできませんのであらかじめご了承ください。

ここで強調しておきたいのは、ドローンは複数の法律により飛行が規制されていること、ドローンの飛行を規制する法律について常に最新の情報を入手する必要があることです。法律違反をしてから「知らなかった」では済まされないので、くれぐれも注意してください。

  • ドローン操縦士

電波法とは

日本では電波は総務省に管理されています。電波を使用するためには原則として免許が必要で、免許なしに電波を発信すると「不法無線局」として処罰を受けることがあります。こういった電波利用に関するルールを定める法律が「電波法」です。

ドローンにおいても、プロポから機体への操縦コマンド送信や、機体から地上へのテレメトリー通信において電波を使用するため、電波法の規制を受けます。

なお、電波法の条文はe-Govで閲覧することができます。昭和25年に施行されて以降、改正を重ねて運用されてきており、非常にボリュームが多くて読むのが大変ですが、できれば読んでみたほうが良いと思います。

参考電波法

技適マークの必要性

電波を使用するためには免許が必要ですが、スマートフォンやWi-Fiルータ等の多数の人が利用する機器では、免許を個別に発行するのは現実的ではありません。そのため、特定の用途においては免許なしに機器(無線機)を利用しても良いという特例措置が設けられています。

この特例が適用されるためにはいくつかの条件があり、その一つに「技適」があります。機器の製造者が技適制度に従って手続きを行った上で以下に示すような「技適マーク」を機器に表示することが、免許なしで無線機を使うための条件の一つとして規定されています。

技適マーク(平成7年4月以降)
技適マーク

技適制度は日本国内独自の制度であるため、海外製品には技適マークがついていない(技適制度に則った手続きが行われていない)製品があります。これらの機器を日本国内で使用すると、電波法違反になる場合があります。

注意

電波法違反になるのは電波を発する機器を使用した人であり、技適マークがついていない製品を販売すること自体は禁止されていません。そのため、特に通販サイト等では、技適マークがついていない製品が大量に流通しています。海外向けの無線機を安易に導入すると電波法違反になる可能性があるため注意してください。

使用周波数帯による免許の必要性

技適マークがあったとしても、免許なしに無線機を使えるのはあくまで一部の機器に限られます。ドローンで一般的に使用される機器のうち、免許無しで使用できるのは、総務省の資料から引用する次の表で「無線局免許」の欄に「不要」と記載されているもののみです。

ドローン用に使用可能な周波数等
分類 無線局免許 周波数帯 送信出力 利用形態 備考 無線従事者資格
免許及び登録を要しない無線局 不要 73MHz帯等 ※1 操縦用 ラジコン用微弱無線局 不要
不要※2 920MHz帯 20mW 操縦用 特定小電力無線局
2.4GHz帯 10mW/MHz 操縦用
画像伝送用
データ伝送用
小電力データ通信システム
携帯局 1.2GHz帯 最大1W 画像伝送用 アナログ方式限定※4 第三級陸上特殊無線技士以上
携帯局
陸上移動局
要※3 169MHz帯 10mW 操縦用画像伝送用データ伝送用 無人移動体画像伝送システム
2.4GHz帯 最大1W 操縦用
画像伝送用
データ伝送用
5.7GHz帯 最大1W 操縦用
画像伝送用
データ伝送用

※1:500mの距離において、電界強度が200μV/m以下のもの。
※2:技術基準適合証明等(技術基準適合証明及び工事設計認証)を受けた適合表示無線設備であることが必要。
※3:運用に際しては、運用調整を行うこと。
※4:2.4GHz帯及び5.7GHz帯に無人移動体画像伝送システムが制度化されたことに伴い、1.2GHz帯からこれらの周波数帯への移行を推奨しています。

参考我が国においてドローン用に使用可能な周波数等 – 総務省

上記の表のうち、ドローンの操縦用途で最も一般的に使用されているのは、「小電力データ通信システム」に分類される2.4GHz帯の電波で、※2として記載されている通り技適マークがついていれば免許なしに使用することができます。一方、FPV飛行などで画像伝送に使用される周波数は5.7GHz帯の電波が主流で、この電波を使用するためには、表に記載のとおり「第三級陸上特殊無線技士」以上の資格が必要となります。

また、平成28年に制度化されたドローン等において画像伝送等を行うための「無人移動体画像伝送システム」として電波を使用する際は、※3にもあるとおり運用調整が必要です。具体的には、日本無人機運行管理コンソーシアム(JTMU)が提供する運用調整システムを利用して運用調整を行います。

参考無人移動体画像伝送システム 運用調整とは | JUTM

2.4GHz帯及び5.7GHz帯等の周波数
無人移動体画像伝送システムの使用周波数帯 – 総務省

特に5.7GHz帯周辺の周波数はややこしいので、こちらも総務省から画像を引用させてもらい確認しておきます。上図は、「無人移動体画像伝送システム」の使用周波数帯を示すものです。

図を見てもらうとわかりますが、図中に上の表では出てきていない「アマチュア無線」という言葉があります。これは、アマチュア無線の5.8GHz帯(5650~5850MHz)として開放されている周波数帯を指しており、業務目的でなければこの周波数帯でドローンにおける画像伝送を行うことも可能です。

補足説明

陸上特殊無線技士の資格を取得して業務目的で無線局を開局するよりも、アマチュア無線で開局するほうが手間・費用の面でハードルが低いため、ドローンレースなどの目的でFPV飛行を行う場合はアマチュア無線で開局する人が多いです。ただし、アマチュア無線として使用する場合は利益を得てはならないため、YouTubeに動画を貼って広告収入を得るようなこともNGです。

図中の「狭域通信システム(DSRC)」は主としてETCで利用されるものです。無人移動体画像伝送システムに使用可能な周波数帯と非常に近いですが、ETCシステムとの混線を避けるため、FPV用の機材でこの周波数帯を指定可能であったとしても、この周波数帯は使用してはいけません。アマチュア無線の場合はこの周波数帯の使用を禁止まではされていませんが、二次業務にあたるため一次業務での電波使用を妨げてはいけません。

どの周波数帯を使用するかは無線通信を行う機材に依存するため、自身の所持している資格等も考えて、どういった機材を選ぶかの参考にしてください。

罰則

電波法における罰則は、「 第九章 罰則(第百五条―第百十六条) 」に規定されています。電波法の規制対象が非常に幅広いため、罰則も条件によって変わり非常に複雑になっています。

ドローン飛行に関しては、5.7GHz帯または5.8GHz帯の電波を資格や無線局の開設届なしに使用して電波法違反となる場合がほとんどと考えられるので、第百十条第1号の以下の規定に違反することになります。

電波法 第百十条

次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 第四条の規定による免許又は第二十七条の十八第一項の規定による登録がないのに、無線局を開設した者
 (以下略)

従って、上記の通り1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられることとなります。また、同様の規定に法人が違反した場合は、第百十四条第1号により、最大で1億円の罰則が科せられます。

よくある間違い

ドローン飛行の規制は複数の法律が複雑に絡み合って成立しているため、法律を破るつもりがなくても、知識不足や勘違いの結果として、法律に違反してしまう場合があります。法律を正しく理解して安全にドローンを飛ばすために、よくある間違いの例を紹介しておきます。

間違い①:市販の機器を使用すれば電波法に違反することはない

ドローン関連で電波を発する機器には、送信機(プロポ)や機体側のビデオ送信装置、テレメトリー装置などがあります。これらの機器は、店頭販売やネット通販など方法を限らず幅広く市販されています。

一般的な感覚では、使えば違法になるものを売っているわけがないと思うかもしれませんが、電波法関連ではそうではありません。電波を発信することに免許や無線局の開設届が必要になるという法規制であり、機器の販売や、発信された電波の受信は規制されてはいません。

従って、購入した送信機を使ったら技適マークがついていない製品だったため電波法に違反してしまったとか、購入したFPVモニターを使ったら5.7GHz帯の電波を使用するもので資格なしには使えなかった、ということは普通にありえます。この分野に精通している人からすると当たり前で、資格をとって開局すればよいという話なのかもしれませんが、個人的にはもう少し素人にも優しい仕組みにしてくれればよいのに、とも思ってしまいます。

というわけで、くれぐれも市販されている商品だから大丈夫、という考えを持たないようにしてください。FPVゴーグルやモニターは大体が5.7~5.8GHzの電波を使用するので警戒できますが、プロポは2.4GHz帯の電波を使用するものが多いので注意が疎かになりがちです。当サイトでは「OpenTX」等の海外製プロポで使う前提のソフトウェアを紹介したりもしていますが、このような場合などで海外製プロポを購入する際は特に、技適マーク取得済みの国内で使用できる製品かどうかは購入前にしっかりと確認するようにしましょう。

間違い②:資格取得し無線局を開設したのでFPV飛行をして良い

FPVはFirst Person Viewの略で、「一人称視点」という意味です。ドローンに搭載したカメラの映像を見て操縦を行う飛行方法を指します。ドローンに遠距離を移動させる場合や、ドローンレースのような機敏な操作が求められる場面でよく利用される飛行方法です。

FPV飛行をするためには、機体に搭載されたカメラの映像を無線で送信する必要があり、このとき使用する周波数帯として伝送遅れの少ない5.7~5.8GHz帯が使用されるのが一般的です。既に紹介したとおり、この周波数帯を使用するためには、第三級陸上特殊無線技士またはアマチュア無線技士の資格が必要になります。

しかし、これらの資格を取得して無線局の開設届を出したとしても、FPV飛行を行えるようになるまでにはまだハードルがあります。それが、航空法による飛行方法の規制です。

航空法では、ドローンでの夜間飛行、危険物の輸送、物件の投下など飛行方法についての規制が存在します。そこで規制される飛行方法の一つに、「目視外飛行」があります。具体的には、ドローンを飛ばす際には機体及びその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させること、と定められており、カメラの映像を見て飛ばすFPV飛行はこの規定に反するのです。

そのため、国土交通省に対して飛行許可申請を行い、目視外飛行の承認を得なければFPV飛行を行うことはできません(ただし、屋内での飛行については航空法は適用されません。)。電波法だけを気にして航空法に対するケアを怠ると、法令違反となるので注意が必要です。

違反事例

ここまでで、電波法におけるドローン関連の規定、違反した場合の罰則やよくある間違いなどを紹介してきました。これらを踏まえ、実際の違反事例からどのような法令違反が発生しているのか確認し、同じ過ちを繰り返さないようにしましょう。

ドローンに無許可無線機 湘南マラソン空撮業者を書類送検

ドローンに関する電波法違反の事例として、2015年に湘南マラソンを撮影していた空撮事業者が、空撮した映像データを地上に伝送するための無線機を総務省の許可を得ずドローンに搭載したとして書類送検された事例を紹介します。

この事例は、そもそも空撮に使用していたドローンがマラソンコース上に落下してしまい、プロペラが近くの女性スタッフの顔に接触したことで怪我を負わせてしまうという事故が発生しており、その調査の過程で明らかになりました。警察の取り調べに対して、書類送検された空撮会社の社長は「ほかの会社もドローンで空撮していたので、混信するリスクを避けるため一時的に使った」と話しているそうですが、当然このような言い訳は通用しません。

総務省によると、使用した無線機は外国製で通信販売等で流通しているものだそうです。上にも書きましたが、入手できるからと言って使用できるとは限らないのが電波法で気をつけなければならないポイントです。

参考「ドローン空撮」で電波法違反? 機体を飛ばすときに注意すべき「法律問題」 – 弁護士ドットコム

参考小型無人機(マルチコプター)で使用された不法無線局の開設者を摘発|総務省

  • ドローン操縦士

ドローン飛行における電波法の注意点まとめ

今回はドローンを規制する法律の中から「電波法」を取り上げ、規制内容、罰則、違反事例などを紹介しました。航空法や小型無人機等飛行禁止法とは規制の観点が異なる法律で、どちらかというと見落としやすいです。また、規制の内容も複雑でドローン初心者には非常にわかりにくくなっています。ドローンを飛ばす前に電波法についてしっかり勉強し、正しく理解するように努めましょう。

最後に、ドローン飛行という観点から、電波法の規制内容を再度確認しておきましょう。

ドローン飛行における電波法の注意点まとめ

  • 電波を使用するためには基本的に免許が必要で、スマートフォンやWi-Fiは技適制度のおかげで特別に免許なしで使用できる。
  • ドローンの操縦に使用する2.4GHz帯の電波は、Wi-Fi等と同様に技適マークがあれば免許無しで使用できる。
  • ドローンからの画像伝送等で使用される5.7~5.8GHz帯の電波は、免許なしでは使用できない。
  • 5.7~5.8GHz帯の電波を使用するためには、業務目的の場合は第三級陸上特殊無線技士以上の資格が、業務目的でない場合はアマチュア無線技士の資格が必要である。
  • FPV飛行をするためには電波法だけでなく航空法にも注意する必要がある。

電波法に関しては、特に技適マークと周波数帯による免許・開局届の必要性が焦点になります。ただし、実際にドローンを飛行させるにあたっては、航空法や小型無人機等飛行禁止法の規定に違反しないかという観点も重要です。気を配らなければならない範囲が広いですが、くれぐれも見落として法律違反になってしまわないように気をつけましょう。

独学で多数の法律を勉強するのが難しい人は、ドローンスクールで講習を受け、短期集中で体系的な知識を身につけるのもおすすめです。ドローンスクールではドローン関連の知識だけでなく、操縦技術を身につけることもできるので、特にドローンパイロットとして、仕事でドローンを飛ばしたい人には、知識の信頼性と学習効率の面から向いています。

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ドローンスクールは非常に数が多いですが、その中でもJUIDA認定スクールが、法律や技術など座学面の講習に力を入れているため、法律関連の知識獲得を重視する場合にはおすすめです。安全にドローンを飛ばせるようになるためにも、ドローンスクールで講習を受けることも一度検討してみると良いでしょう。

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K-ki

著者:K-ki 子供のころに作った模型飛行機がきっかけで航空宇宙の世界に足を踏み入れたエンジニア。HNは「けーき」と読みます。 好きなものは航空機(固定翼・回転翼・ドローンなど全般)と生き物・アクアリウム。

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