ドローンの法律・ルール

ドローン飛行の法律・規制まとめ!航空法だけじゃない複雑なルールを解説

ドローン飛行の法律・規制まとめ

こんにちはー!航空機エンジニアのK-ki(K-ki@Ailerocket)です。

私がドローンを初めて飛ばしたのは5年くらい前ですが、当時はドローンの飛行を規制する法律がよく分からず、初飛行の前に必死で色々と調べた覚えがあります。ドローンの飛行は複数の法律で様々に規制されており、どの場面でどの法律が適用されるのかがとてもわかりにくいことが原因ではないかと思います。

そこでこのページでは、ドローンを飛ばす上で知っておきたい法律を、網羅的に解説していきます。特に重要な法律については個別の解説ページを設けているので、詳細はそちらを確認してください。このページはあくまで全体像をつかめるように、多少細部を省略しながら少しでも多くの法律を紹介することを重視します。

この記事の目次

ドローン飛行に関する法規制の概要

まずはじめに、ドローンの飛行を規制する法律として主要なものを一覧にまとめておきます。K-kiが知る限りでは、以下に示す法律がドローンの飛行を規制する、あるいはその可能性があるものです。リンク先では、各法律を個別に詳細解説しているので、ぜひ併せて読んでみることをおすすめします。

ただし、K-kiは航空機の専門家ではありますが法律の専門家ではないため、ドローンの飛行を規制し得る法律を見落としている可能性があります。また、法律は変化していくため、今後これ以外にドローンの飛行を規制する法律が生まれたり、既存の法律がドローンを規制するようになったりする可能性があることは知っておきましょう。

つまりここで強調しておきたいのは、ドローンパイロットは常に関連法規について最新情報を得る必要があり、その上で法令を遵守してフライトに臨む必要があるということです。これを疎かにすると意図せず法令違反をしてしまい、罰せられる可能性も十分にあるため、くれぐれも気をつけましょう。

では、前置きはこれくらいにして、上記の法律それぞれについて、以下で詳細を説明していきましょう。なお、以下で説明するのはあくまでも各法律の概要であり、罰則などの細部は個別の詳細ページで紹介しています。繰り返しになりますが、個別ページもぜひ読んでみてください。

注意

上記の通りK-kiは航空機の専門家ですが法律の専門家ではないため、以下の内容について正しさを保証することはできません。できる限り間違いのないように書いてはいますが、間違った情報で損害を被られたとしても、責任を負うことはできませんのであらかじめご了承ください。

  • ドローン操縦士

航空法

航空法は、ドローンを規制する法律のうち最も知名度が高いものの一つです。端的に言えば、ドローンが飛行できる「空域」と「飛行方法」を定める法律です。また、航空法はドローンの重量によって規制の内容が分かれている点も特徴です。

ドローン関連の法律を解説!航空法編
【航空法編】ドローン関連の法律を解説!200g規制や空域制限の根拠法

ドローンに関する法律は数多く、状況によって様々な規制があり複雑でわかりにくいです。初心者を含むドローンパイロットが法律を遵守してドローンを飛ばせるよう、ドローン規制法の中から航空法について規制内容や違反事例を紹介します。

航空法の規制対象となるドローンの条件

航空法では、ドローンに関する規制は「第九章 無人航空機」において定められています。また、航空法 第22条において、航空法の対象とする無人航空機を以下のように定義しています。

航空法 第二条第二十二項

この法律において「無人航空機」とは、航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であつて構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)をいう。

ここに登場する「国土交通省令」とは、「航空法施行規則」のことを指しており、航空法施行規則における規定は以下のとおりです。

航空法施行規則 第五条の二

法第二条第二十二項の国土交通省令で定める機器は、重量が二百グラム未満のものとする。

つまり、航空法における「無人航空機」には重量200g以上の機体のみが該当し、200g未満の機体は無人航空機に該当しないため規制の対象外になるということです。これが、よく言われる「200g」というしきい値の根拠です。

ただし、200g未満の機体に対して制限を掛けていない法律は航空法のみです。航空法以外のドローン関連の法律では、重量200g未満のドローンも重量200g以上の機体と同様に規制の対象となることには注意が必要です。

航空法で規制される空域

航空法はドローンが飛行できる「空域」と「飛行方法」を定める法律だと最初に書きました。まずは空域に関する規定から確認していきましょう。航空法 第132条において、無人航空機の飛行空域について以下のように定められています。

ポイント

以下の空域で無人航空機を飛行させる場合には、あらかじめ、国土交通大臣の許可を受ける必要があります。

  1. 空港等の周辺の上空の空域
  2. 150m以上の高さの空域
  3. 人口密集地区の上空

1.と2.はある程度明確にイメージができると思いますが、3.についてはイメージしづらい人も多いのではないでしょうか。人口密集地区の具体的な場所は、国土地理院が発信するウェブ地図「地理院地図」で確認することができます。また、DJIのフライトマップでも同様の内容が確認です。ドローンを飛ばす際は、これらのサイトで飛行場所が人口密集地区(あるいは空港周辺や高度150m以上)でないことしっかりと確認してからにしましょう。

航空法で規制される飛行方法

次に、航空法における「飛行方法」の規定を確認してみましょう。飛行方法に関する胃底は航空法 第132条の2に定められており、概ね以下のような内容になっています。

ポイント

無人航空機を飛行させる場合には以下のルールを守る必要があります。5.~10.のルールによらずに無人航空機を飛行させようとする場合には、あらかじめ、国土交通大臣の承認を受ける必要があります。

  1. アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと
  2. 飛行前確認を行うこと
  3. 航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること
  4. 他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
  5. 日中(日出から日没まで)に飛行させること
  6. 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
  7. 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
  8. 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
  9. 爆発物など危険物を輸送しないこと
  10. 無人航空機から物を投下しないこと

例えば、ドローンが活躍する分野として比較的メジャーなものに農業があります。農業では、農薬散布がドローンの主な用途ですが、農薬散布は、9.の「危険物輸送」及び10.の「物件投下」に該当するため、国土交通大臣の承認が必要な飛行方法に該当します。

飛行許可申請とドローンの資格

ドローンを特定の空域で飛ばすためには国土交通大臣の許可が、特定の飛行方法で飛ばすためには国土交通大臣の承認が必要になることはここまでで紹介しました。このような許可や承認を取得する際は、国土交通省の「ドローン情報基盤システム」を利用し、「飛行許可申請」を行う必要があります。

この飛行許可申請を行う際に、国土交通省の公認を得たドローン操縦資格を持っていると、提出書類の一部を省略できるなどの恩恵があります。国土交通省の公認を得た資格は、2019年9月時点で40種類以上あるとされていますが、特に知名度・実用性が高い資格としてK-kiがおすすめしているのは以下の3つです。

ポイント

ドローンの操縦技能を認定する資格の中でおすすめなのは以下の3種類です。

ドローンの操縦資格については以下のページで詳しく解説しています。興味のある人は、ぜひ読んでみてください。

ドローンの資格をおすすめの4種類から選ぶ方法
ドローンの資格はどれがおすすめ?主な資格4種類の目的別の選び方

多数あるドローンの資格から主要な4種(JUIDA、DPA、DJI JAPAN、ドローン検定)について、長所と短所を比較しながら取得すべき資格の選び方を解説します。また、資格取得のメリットやそれぞれの資格を取得するためのスクールも紹介します。

また、ドローンの資格を取得するための施設である「ドローンスクール」については以下で紹介しています。こちらもおすすめのページなので、読んでみてくださいね。

ドローンスクール比較 おすすめを紹介します!
ドローン操縦スクール比較!取得資格や受講コースからおすすめを紹介

ドローンスクールで資格を取る際に湧く疑問を徹底解決します。ドローンを飛ばすための資格の必要性から始まり、資格を取得するメリット、実用性の高い資格、ドローンスクールの選び方、おすすめのドローンスクール等を解説しています。

小型無人機等飛行禁止法

小型無人機等飛行禁止法は、2015年に首相官邸にドローンが落下した事件を受けて制定された法律です。この法律では、事件の反省から、重要施設の周辺地域上空において無人航空機等の飛行を規制しています。

ドローン関連の法律を解説!小型無人機等飛行禁止法編
【小型無人機等飛行禁止法編】ドローン関連の法律解説!重要施設を守る法

ドローン関連の法律は数が多く規制内容も様々なため複雑でわかりにくいのが現実です。ドローンパイロットが法律に違反せずフライトできるよう、ドローン飛行の規制法から小型無人機等飛行禁止法について規制内容や違反事例を紹介します。

小型無人機等飛行禁止法の規制対象となるドローンの条件

小型無人機等飛行禁止法では、第1条において国の重要施設における「小型無人機等の飛行」を禁止しています。また、「小型無人機等の飛行」の定義は、第2条 第5項で定めています。

小型無人機等飛行禁止法 第二条第5項

この法律において「小型無人機等の飛行」とは、次に掲げる行為をいう。

 小型無人機を飛行させること。
 特定航空用機器を用いて人が飛行すること。

この条文に登場する「小型無人機」と「特定航空用機器」は、同じ第2条の第3項及び第4項で定義されています。その内容を簡単にまとめると、以下のように整理できます。

ポイント

小型無人機等飛行禁止法では、以下に挙げる例のような航空機の飛行を規制しています。

  • 小型無人機
    • 無人飛行機(ラジコン飛行機等)
    • 無人滑空機
    • 無人回転翼航空機(ドローン、マルチコプター等)
    • 無人飛行船
  • 特定航空用機器
    • 気球
    • ハンググライダー
    • パラグライダー

航空法のように重量規制は存在しないため、どんなドローンでも小型無人機等飛行禁止法の対象になる点に注意しましょう。

小型無人機等飛行禁止法の対象施設

小型無人機等飛行禁止法では、国の重要施設とその周囲概ね300mの周辺地域上空における小型無人機等の飛行を禁止しています。これは第2条に定められており、対象となる施設は以下のとおりです。

  • 国の重要な施設等
  • 対象外国公館等
  • 対象防衛関係施設
  • 対象原子力事業所

もう少し具体的な例を上げると、以下のような施設が小型無人機等飛行禁止法の対象として規定されています。

ポイント

小型無人機等飛行禁止法で無人航空機等の飛行が禁止されるのは、例えば以下のような場所です。

  • 国会議事堂
  • 内閣総理大臣官邸
  • 最高裁判所
  • 外国公館
  • 防衛関係施設
  • 原子力事業所

対象施設についてより具体的に知りたい人は、警察庁のホームページが非常に整理せれていてわかりやすいので参考にしてください。

参考小型無人機等飛行禁止法に基づく対象施設の指定関係|警察庁Webサイト

また、参考として東京都心部における小型無人機等飛行禁止法の対象施設と周辺地域をまとめた図を警察庁のホームページから引用して紹介しておきましょう。

東京都心部における小型無人機等飛行禁止法の対象施設周辺地域図
東京都心部における対象施設周辺地域図

図からわかるように、イエローゾーンまで含めると、東京都心部では殆どの場所が小型無人機等飛行禁止法の対象になっています。

なお、この法律では、指定された施設の上空は「レッド・ゾーン」、周辺地域の上空は「イエロー・ゾーン」と区分されており、区分によってドローンを飛ばすために必要となる手続きや、罰則が適用されるまでの流れに差があります。

対象施設又は周辺地域の上空で小型無人機等を飛ばすための手続き

小型無人機等飛行禁止法の対象施設又はその周辺地域上空で、小型無人機等の飛行を行うためには、以下のような手続きを取る必要があります。ただし、対象施設の管理者や、国又は地方公共団体が公務でドローンを飛ばす場合は例外的に手続きなしで飛行が可能です。

小型無人機等を飛ばすための手続き

  1. 国土交通省の飛行許可・承認を取得
  2. 対象施設管理者等の同意を取得
  3. 管轄の警察署経由で都道府県公安委員会へ通報書を提出

公安委員会へ通報書を提出する前に、航空法の規定をクリアした上で、施設の管理者の同意を得る必要がある点がポイントです。手続きについては、こちらも警察庁の以下のページが詳しいので参考にしてください。

参考小型無人機等飛行禁止法に基づく通報手続の概要|警察庁Webサイト

また、航空法に定められた許可・承認を得るための飛行許可申請については、以下のページで詳しく説明しています。こちらも併せて読んでみてください。

ドローンパイロットになる!知っておきたい業界・法律・資格・技術・求人
ドローンパイロットになる!業界・法律・資格・技術・求人を知ろう

ドローンパイロットになって好きなことを仕事にしましょう!ドローンを飛ばす仕事をするために、知っておくべき業界の特徴や法律・ルール、役に立つ資格とその取得方法、操縦の練習方法や仕事・求人の探し方まで、網羅的に解説します。

電波法

日本では、電波を使用するためには原則として免許が必要で、免許なしに電波を発信すると「不法無線局」として処罰を受けることがあります。ドローンはプロポから機体への操縦コマンド送信や、機体から地上へのテレメトリー通信において電波を使用するため、当然ながら電波法の規制対象になります。

ドローン関連の法律を解説!電波法編
【電波法編】ドローン関連の法律解説!技適マークと周波数に要注意!

ドローンを規制する法律は数が多く内容も様々なためわかりにくいです。そこでドローン関連の法律から電波法を取り上げ、その規制内容や違反事例を紹介します。ドローンパイロットに限らずエンジニア・開発者も理解が必要な法律です。

航空法や小型無人機等飛行禁止法のようにドローンが空を飛ぶことを要因として規制を受ける法律ではないため、見落としやすく注意が必要です。

免許なしで電波を使用できる特例:技適制度

電波を使用するためには免許が必要ですが、利用者が非常に多いスマートフォンやWi-Fiルータのような機器を利用する場合に、使用者それぞれに免許を発行するのは現実的ではありません。そのため、用途を限定した上で、免許がなくても電波を発する機器(無線機)を利用しても良いという特例措置が設けられています。

この特例が適用されるためにはいくつかの条件があり、その一つに「技術基準適合証明(技適)」があります。機器の製造者が技術基準適合証明を取得すれば、その機器に技適マークを掲示することが許されます。免許なしで操作することが可能な無線機は、この技術基準適合証明を取得した機器に限られています。すなわち、技適マークを機器に表示することが、免許なしで無線機を使うための条件の一つということです。

注意

技適マークがついていない機器を免許なしで扱った場合、電波法違反になるのは電波を発する機器を使用した人であり、技適マークがついていない製品を販売した人は罪に問われません。そのため、インターネットを中心に技適マークがついていない、主に海外製の無線機器が大量に流通しています。海外向けの無線機を安易に導入すると電波法違反になる可能性があるため注意してください。

使用周波数帯による免許の必要性

技適マークがあったとしても、免許なしに無線機を使えるのはあくまで一部の機器です。ドローンで一般的に使用される機器のうち、免許なしで使用できるのは、総務省の資料から引用する次の表で「無線局免許」の欄に「不要」と記載されているもののみです。

ドローン用に使用可能な周波数等
分類 無線局免許 周波数帯 送信出力 利用形態 備考 無線従事者資格
免許及び登録を要しない無線局 不要 73MHz帯等 ※1 操縦用 ラジコン用微弱無線局 不要
不要※2 920MHz帯 20mW 操縦用 特定小電力無線局
2.4GHz帯 10mW/MHz 操縦用
画像伝送用
データ伝送用
小電力データ通信システム
携帯局 1.2GHz帯 最大1W 画像伝送用 アナログ方式限定※4 第三級陸上特殊無線技士以上
携帯局
陸上移動局
要※3 169MHz帯 10mW 操縦用画像伝送用データ伝送用 無人移動体画像伝送システム
2.4GHz帯 最大1W 操縦用
画像伝送用
データ伝送用
5.7GHz帯 最大1W 操縦用
画像伝送用
データ伝送用

※1:500mの距離において、電界強度が200μV/m以下のもの。
※2:技術基準適合証明等(技術基準適合証明及び工事設計認証)を受けた適合表示無線設備であることが必要。
※3:運用に際しては、運用調整を行うこと。
※4:2.4GHz帯及び5.7GHz帯に無人移動体画像伝送システムが制度化されたことに伴い、1.2GHz帯からこれらの周波数帯への移行を推奨しています。

参考我が国においてドローン用に使用可能な周波数等 – 総務省

上記の表のうち、ドローンの操縦用途で最も一般的に使用されているのは、「小電力データ通信システム」に分類される2.4GHz帯の電波です。一方、FPV飛行などで画像伝送に使用される周波数は5.7GHz帯の電波が主流です。この電波を使用するためには、表に記載のとおり「第三級陸上特殊無線技士」以上の資格が必要となります。

また、アマチュア無線技士の資格を取得することで、アマチュア無線の5.8GHz帯(5650~5850MHz)を使用することも可能です。陸上特殊無線技士の資格を取得して業務目的で無線局を開局するよりも、アマチュア無線で開局するほうが手間・費用をかなり抑えられるため、アマチュア無線で開局する人も多いです。

ただし、アマチュア無線として電波を使用する場合は利益を得てはならず、YouTubeに動画を貼って広告収入を得るようなことでもダメです。

また、使用する周波数帯は使用する無線機にも依存するため、自身の所持している資格等も踏まえた上で、どういった機材を選ぶかを決めましょう。

道路交通法

道路周辺でドローンを飛行させる場合は、道路交通法に違反する恐れがあります。道路交通法ではドローンの飛行を念頭においた規定があるわけではなく、あくまで道路交通法の規定に照らし合わせるとドローン飛行は規制対象になりうるという話なので、条文をどう解釈するかによってOK/NGの判断が分かれそうな部分もある点には注意が必要です。

ドローン関連の法律を解説!道路交通法編
【道路交通法編】ドローン関連の法律解説!離着陸場所には要注意

ドローンの飛行を規制する法律の中から、道路交通法を取り上げその規制内容を解説します。道路付近でドローンを飛ばす場合には、特に注意が必要な法律です。ドローンを念頭に置いた法律ではないため、解釈がやや難しい面があります。

道路交通法とドローンの関係についてはこちらのページが詳しいです。ぜひ併せて読んでください。

道路における離着陸は道路交通法に抵触する

ドローン飛行関連の行為で、特に道路交通法による規制対象となるのは「道路上での離着陸」です。道路交通法の第76上には、以下の内容が定められています。

道路交通法 第七十六条

何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。
2 何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。
3 何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。
4 (以下略)

この内、特に第3項が重要です。道路上でドローンを離陸あるいは着陸させる場合は、ドローンの機体を路上に置くことになり交通の妨害になるため、第3項に抵触すると考えられます。

また、第77条では「管轄する警察署長の許可を受けなければならない者」を定めており、その中に「道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人」という規定が存在します(第1項)。ドローンの離着陸をさせる人はこの規定に該当するため、公道上でドローンを離着陸させるためには、管轄する警察署長の許可を受ける必要があると考えられます。

以上より、道路上でドローンを離着陸させる行為は道路交通法で規制されており、管轄警察署長の許可が必要と言えます。

道路上空の飛行

一方、道路交通法には道路上空について明確な規定はありません。道路上空を飛行させるために何らかの許可が必要か、という疑問に対しては、平成27年の「国家戦略特区等に関する検討要請」に対する警察庁の回答が参考になるでしょう。

道路における危険を生じさせ、交通の円滑を阻害するおそれがある工事・作業をする場合や道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような撮影等を行おうとする場合は、ドローンを利用するか否かにかかわらず、道路使用許可を要するが、これらに当たらない形態で、単にドローンを利用して道路上空から撮影を行おうとする場合は、現行制度上、道路使用許可を要しない。

参考国家戦略特区等提案検討要請回答

つまり、単に道路上空でドローンを飛ばすだけであれば、道路交通法に違反せず道路使用許可も必要ないということです。ただし、車とぶつかり得るような低高度でドローンを飛ばせば交通を妨害したと判断されると考えられます。具体的に高度が何mあれば「上空」なのかは明確でないため、道路周辺でドローンを飛ばす場合は、トラブル回避のために最寄りの警察署に飛行日時を事前通達しておくほうが良いでしょう。

警察に対する申請

道路使用の許可を申請する必要がある場合の手続き方法も簡単に紹介しておきます。詳細は、道路交通法の個別ページを参考にしてください。

ポイント

道路使用許可は、管轄する警察署長が行います。従って、道路を管轄する警察署の交通課窓口に、以下の書類を提出する必要があります。

  • 道路使用許可申請書
  • 添付書類(道路使用の場所、方法等を明らかにした図面その他必要な書類)

道路使用の許可を得るためには、2000~3000円程度の手数料が必要です。また、道路使用許可申請の提出から許可証の交付までは、概ね1週間程度の時間がかかります。

民法

ドローン飛行において民法を気にする必要がある状況は、主に「土地の所有権」と「肖像権」に関連する状況です。ただし、民法が施行されたのは明治29年と非常に古く、現代の状況に即していない面も多分にあります。これまでに紹介してきた法律よりも規制内容は曖昧で、状況による部分も多く一概に何がOKで何がNGとは判断しづらい面があります。

従って、トラブルを防ぐためにも、第三者の所有地上空を飛行する場合には土地所有者の許可をとっておくべきと言えるでしょう。

土地所有権の侵害

土地の所有権は、民法の規定上は土地の上空にも及ぶとされているため、ドローンが無断で第三者の所有地上空を飛行すると、権利を侵害したと判断される可能性があります。ただし、所有権を侵害された人が損害賠償を請求するとして、具体的にどのような損害が発生したか明示するのは難しく、損害賠償請求できるような不利益はないのではないか、という見解もあります。

肖像権・プライバシー権の侵害

ドローンは空撮目的で使用されることも多く、撮影した映像に第三者が写っている場合には「肖像権」の問題が発生する可能性があります。また、撮影対象によっては「プライバシー権」の問題が発生する可能性もあるでしょう。

一方、ドローンを使って映像を撮影する側には「表現の自由」が認められており、これら2つの権利のどちらが優先されるかは、状況に依存する面が多分にあります。

例えば、街中でドローンを使用した空撮を行い、そこに通行人が写り込んだという要な場合には、過去の判例に照らし合わせると表現の自由が優先される可能性が高いでしょう。一方、ドローンを使って第三者の住居内を撮影し多様な場合は、プライバシー権を侵害したとして損害賠償を求められる可能性は十分にあります。

住居侵入罪は適用されない

ドローンが第三者の所有地上空に侵入したとしても、住居侵入罪、いわゆる「不法侵入」は適用されません。住居侵入罪は「人間」が侵入することが前提となっているからです。

都市公園法

園路・広場・遊具などが設けられた「都市公園」の健全な発達による公共の福祉の増進を目指すのが「都市公園法」の趣旨です。都市公園は、地方公共団体又は国がその管理者となっており、施設の管理権限を持っています。

その管理行為の一環として、ドローンの飛行が禁止されたり、都市公園内へのドローンの持ち込みが禁止される可能性があります。

  • ドローン操縦士

自然公園法

優れた自然環境の保護とその利用の増進を図るのが「自然公園法」の目的です。自然公園においては、以下の行為が禁止されています。

  • 立入禁止区域への侵入禁止
  • 迷惑行為の禁止
  • 木竹の損傷禁止

ドローンを飛行させる際は、これらの禁止行為に該当しないように気をつける必要があります。

また、自然公園はかなりの範囲が私有地になっているため、前述の民法での規定についても十分に考慮しておく必要があります。

海岸法・河川法

海岸や河川は、基本的に誰もが自由に使用することが認められています。一方で、河川や海岸には都市公園などと同様に管理者が定められており、管理行為の一環としてドローンの飛行禁止を定めることは可能です。

従って、ドローンを河川や海岸で飛行させる場合には、管理者がどのような規定を定めているか確認する必要があります。また、海水浴場の場合には、海水浴場の設置者が海水浴場の管理・運営について責任を持つため、海水浴場設置者の定めるルールも確認しておくべきです。

港則法・海上交通安全法

港則法や海上交通安全法は、道路交通法の海版とも言える法律です。どちらも海上交通の安全を目的としていますが、適用される場所が異なり、大雑把に言えば港では港則法が、海上では海上交通安全法が適用されます。適用される場所の細かい内容は、それぞれの法律で規定されています。

これらの法律では、ドローンの飛行を直接的に禁止する条文はありませんが、「工事」「作業」「行事」等を行う場合には、許可が必要と定められています。ドローンの飛行は、海上交通の安全に支障を及ぼすおそれがある場合には「作業」にあたるという解釈が一般的なため、場合によっては飛行前に許可を取得する必要があります。

条例

地方自治体が条例によってドローンの飛行を禁止する場合もあります。既存の法律の解釈を条例で補足することによって、ドローンの飛行を明確に禁止したり、ドローンの飛行を禁止する条例自体を新たに制定したり、その方法は様々です。

また、地方自治体がドローンの運用に関する独自のガイドラインを制定する場合もあります。条例による規制内容は自治体ごとに異なるため、常に最新の情報を入手して対応する必要があります。

よくある間違い

ここまでで、ドローンの飛行を規制しうる多数の法律を一つ一つ紹介してきました。実際にドローンを飛ばす際には、これらの法律すべてに違反しないように、複数の法律の規制を組み合わせて考える必要があります。

この項目では、複数の法律の規制が絡み合って複雑になりがちなポイントを「よくある間違い」としてまとめておきます。ドローンを飛ばす前に、法律を勘違いしていないかよく確認しておきましょう。

間違い①:重量200g未満のドローンはどこでも飛ばせる

航空法では重量が200g未満の機体は「無人航空機」に含まれず、規制の対象になりません。しかし、これは200g未満の機体は何の制約もなく飛ばせるという意味ではありません。

ここまでに紹介したとおり、ドローンの飛行を規制する法律は航空法以外にも多数存在します。200g未満の機体を規制対象外にしている法律は航空法のみであり、航空法以外のすべての法律は200g未満のドローンに対しても適用されます。

従って、「小型無人機等飛行禁止法」で飛行が禁止される国会議事堂や原子力発電所付近では飛ばすことはできませんし、「民法」の定めにより他人の私有地上空を飛ばすと損害賠償を求められる可能性もあります。

K-kiの個人的な解釈になりますが、航空法は「人口密集地区」や「空港周辺」などドローンを飛ばせる「区域」の許可を管理する法律で、ドローンを飛行させる「場所」のピンポイントな許可は施設や土地の管理者に委ねられています。ドローンを飛ばす前には、飛行場所の管理者にドローンを飛ばしてよいか確認するのが安全です。

間違い②:目視外飛行の承認を得たのでドローンをFPV飛行させられる

目視外飛行の代表的な手法に「FPV飛行」があります。FPVはFirst Person Viewの略で、「一人称視点」という意味です。ドローンに搭載したカメラの映像を見て操縦を行う飛行方法を指します。

目視外飛行は航空法で規制されている飛行方法なので、目視外飛行を行うためには国土交通大臣の承認が必要です。しかし、国土交通大臣の承認を得ただけで目視外飛行をすると、思わぬ落とし穴にハマる危険があります。

FPV飛行に必要となるゴーグルやモニターは、操縦性を重視して伝送遅れの少ない5.7GHz帯周辺の電波を使用して画像伝送を行う機器が主流です。しかし、この周波数帯の電波は、電波法の定めにより免許なしで使用することはできません。業務目的なら「陸上特殊無線技士」、非営利目的でも「アマチュア無線技士」の資格が必要です。

一部に、2.4GHz帯の電波を使用しており、技適マークがあって免許なしで使用できるモニターもありますが、電波法違反にならないようにしっかりと使用する電波の周波数帯を確認しておく必要があります。

間違い③:道路上空の飛行のみなので許可取得は必要ない

道路交通法の規定では、道路上での離着陸には管轄する警察署長の許可が必要になるものの、道路上空を飛行するだけなら許可は必要ないと書きました。しかし、これはあくまで道路交通法に基づく警察署長の許可が必要ないと言うだけで、他の法律で許可が必要になる可能性があります。

この場合に影響がある確率が高いのは、やはり航空法です。道路が集中している場所は人口集中地区(DID)に定められている可能性が高く、この場合は航空法に基づき国土交通大臣の許可が必要になります。

また、実際に道路上を飛ばすとなると、周囲の私有地上空を飛ぶことになる可能性が高いです。無許可で私有地上空を飛行させると、土地の所有者から民法に基づき損害賠償を請求される可能性があります。実際に損害賠償が認められるかは議論の余地がありますが、トラブル回避のためにこちらも事前に許可をとっておくべきでしょう。

違反事例

ここまでに紹介してきたドローンを規制する各法律やよくある間違いを踏まえた上で、実際にどんな違反事例が発生しているかを確認し、同じ過ちを繰り返さないための教訓としましょう。

東京・北の丸公園で無許可ドローン飛行 69歳男性を書類送検

はじめに紹介する事例は、東京都千代田区の北の丸公園で、許可なくドローンを飛ばして操縦者が書類送検されたものです。北の丸公園は、航空法で規制対象となる人口集中地区に該当する上に、小型無人機等飛行禁止法でも皇居周辺施設として飛行禁止区域に指定されています。書類送検された男性は「飛ばせない場所なのは分かっていたが、この機体を飛ばせるかどうか、実験したかった」と供述しており、はっきり言って悪質です。

参考東京・北の丸公園で無許可ドローン飛行 69歳男性を書類送検 – 産経ニュース

また、この事件が通行人の110番通報で発覚していることも注目しておきたいポイントです。今回は操縦者側に明らかな落ち度があるものの、仮に飛行許可を取得していたとしても、ドローンを飛ばしているだけで通報を受けることは多いです。ドローンに対する社会感情は決してポジティブなものだけではなく、法を守って飛ばしていたとしても通報されるリスクが有ることを認識し、もしもの場合に自身の潔白を示せるように準備しておくことが重要と言えるでしょう。

海自施設上空にドローン 男を書類送検

こちらは、広島県呉市の海上自衛隊呉地方総監部上空で、小型ドローンを飛行させた男性が書類送検された事例です。この事件では飛行させたドローンの重量は150gでしたが、小型無人機等飛行禁止法違反として書類送検されています。

参考海自施設上空にドローン、男を書類送検 禁止法を初適用:朝日新聞デジタル

よくある間違いでも紹介したように、重量200g未満の機体のみが規制対象なのは航空法だけで、それ以外の法律では200g未満のドローンも規制対象です。ここの認識を誤ると本件のように法令違反となってしまうため、くれぐれも注意してください。

ドローンに無許可無線機 湘南マラソン空撮業者を書類送検

電波法違反の事例では、2015年に湘南マラソンを撮影していた空撮事業者が、空撮した映像データを地上に伝送するための無線機を総務省の許可を得ずドローンに搭載したとして書類送検された例が有名です。

参考小型無人機(マルチコプター)で使用された不法無線局の開設者を摘発|総務省

この事例で使用された無線機は、外国製で通信販売等で流通しているものだそうです。上にも書きましたが、入手できるからと言って使用できるとは限らないのが電波法で気をつけなければならないポイントです。

まとめ:法令を遵守してドローンを飛ばすためには十分な知識が必要

今回はドローンの飛行を規制する法律について、全体像がつかめるように、個々の法律の説明は多少薄くしつつ数多くの法律を解説しました。それでも結構なボリュームになってしまったことからも分かる通り、ドローンを規制する法律は数が多い上に状況によって適用されるものが違うため、非常に複雑なのが現状です。

ドローンパイロットとしてドローンを飛ばすためには、これらの法律をしっかり理解し、法律を遵守してフライトを実施する必要があります。独学ではなかなか難しい面もあるため、特に仕事でドローンを飛ばす必要がある人には、ドローンスクールで体系的な知識を短期集中で身につける方法がおすすめです

ドローンスクールで学ぶことで、ドローンの操縦技術とドローンを安全に飛ばすために必要な知識の両方を身につけることができ、最終的には資格を取得することが可能です。特に、法律やドローンを支える技術など、ドローン関連の知識をしっかり学びたい場合にはJUIDA認定スクールでの資格取得がおすすめです。

JUIDA認定資格「無人航空機操縦技能証明証」「無人航空機安全運航管理者証明証」とは?
ドローン操縦の資格を解説!JUIDA認定資格の特徴・長所や取得法は?

ドローン操縦の資格のうち日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が認定する「無人航空機操縦技能証明証」「無人航空機安全運航管理者証明証」等の資格を紹介します。他の資格に比べ未経験者が低コストで取得できスクール数が多いのが特徴です。

JUIDA認定スクールは全国に200校以上存在し、どこに住んでいる人でも比較的近場で学べるのが長所です。一方、数が多いのでどのスクールを選べばよいか迷うことも多いでしょう。

ドローンスクールの選び方は上のリンク先でも紹介していますが、特におすすめのスクールとしては、アクセスの良い「秋葉原ドローンスクール」と、空撮に強い「日本ドローンアカデミー」がおすすめです。


ドローンの法律についてしっかり勉強して、安全なフライトを実施できるドローンパイロットになりましょう!

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K-ki

著者:K-ki 子供のころに作った模型飛行機がきっかけで航空宇宙の世界に足を踏み入れたエンジニア。HNは「けーき」と読みます。 好きなものは航空機(固定翼・回転翼・ドローンなど全般)と生き物・アクアリウム。

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