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ドローンビジネスで操縦者が研修を受けるべき理由とメリット

ドローンビジネスで操縦者が研修を受けるべき理由とメリット

こんにちはー!ドローンを自作して空撮したりしています、K-ki(K-ki@Ailerocket)です。

ドローンビジネスの市場規模は今後ますます拡大すると予想されており、2024年には2018年に対して5倍以上に成長するとも言われています。従って、ドローンビジネスに参入する企業は、今後も増えていくはずです。

事業者が増えるにつれて競争も厳しくなっていくと予想され、その競争を勝ち抜くためには何らかの強みが必要になってきます。強みを示す一つの方法としては、操縦者の質を上げ、ドローンを安全に運航させられるというポイントをアピールするというやり方もあるでしょう。具体的には、ドローンスクールで研修を受ける、ということになります。

これらを踏まえ、今回はドローンビジネスにおいて操縦者の技量がいかに大切かという点と、十分な技量があることを示す根拠として「資格」を提示するという手法の有効性について、ビジネス的な観点から考えてみます。

ドローンビジネスで操縦士の技量をどう保証するか

当然のことですが、ドローンを使ったビジネスを成立させるためには、収益を上げる方法を確立しなければなりません。収益化の方法は色々ありますが、事業として安定した収益を上げるためには、ドローンを使った撮影や点検作業を受注することは避けて通れません。

一方で、ドローンに関連した事故は2015年から2018年までの4年間で200件以上発生しており、年ごとの件数は右肩上がりに増えています。ドローンの活躍の場が広がるにつれ事故が増えるのはある程度仕方ないことではあるものの、ドローンを使う作業を発注する側としては、トラブルを起こさないでほしいことは間違いありません。

そこで、顧客に自身のドローンビジネスがいかに安全であるかをアピールすることは避けて通れないでしょう。これはドローンに限らず、航空機を扱うビジネスにおける基本です。事故が起きれば第三者にまで影響が出る可能性があるため、安全の確保は何よりも優先されるのです。

そして、安全をアピールするための具体的な方法の一つが、ドローン操縦に関する資格を持ったパイロットが機体を操縦することです。

ドローンを飛ばすだけなら資格・免許は基本的に不要

そもそもの前提として、ドローンを飛ばすために特別な資格等を取得する必要はありません。ルールさえ守れば、ドローンは誰でも飛ばすことができます。

だからこそ、ドローン操縦の資格を持っていることは、ドローンビジネスを展開する上でのアドバンテージになります。必須ではない資格を取得し、安全なドローン運航を目指しているとアピールできます。

FPVやビジネス用途では資格が必要になる状況がある

ただし勘違いしてはならないのは、特殊な条件においては資格が必要になることもある、という点です。ドローンにおいて資格が必要になるのは電波法絡みで、主に機体とプロポ(コントローラ)間の通信に使用する電波に特殊な周波数帯を使用する場合に資格が必要になります。

他にも、電波を使用する機器には技適マークが付いていなければならないとか、特定の空域や飛行方法でドローンを飛ばす場合は地方航空局長の許可・承認が必要になるなど、ドローンを飛ばすためには様々な法規制をクリアする必要があります。

ドローン関連の法律を解説!電波法編
【電波法編】ドローン関連の法律解説!技適マークと周波数に要注意!

ドローンを規制する法律は数が多く内容も様々なためわかりにくいです。そこでドローン関連の法律から電波法を取り上げ、その規制内容や違反事例を紹介します。ドローンパイロットに限らずエンジニア・開発者も理解が必要な法律です。

電波法に関する規制内容はこちらのページでまとめています。また、電波法だけでなく航空法等の規制も踏まえた上で、必要となる資格についての情報は以下のページにまとめています。

ドローン操縦のルール・法律を解説
ドローンの飛行に免許・資格は必要?操縦に関するルール・法律を解説

ドローンを飛ばすための資格・免許の必要性や関連する法律を紹介します。また、ドローンを飛ばすために許可・承認が必要になる事例を解説します。ビジネスでよく利用されるドローン操縦の民間資格についても実用性の高いものを紹介します。

法律は変わることがあるので、常にアンテナを張り最新の情報を得るように心がけましょう。

ドローンの資格を取得するメリットとは?

ドローン操縦の資格を取得すれば、なんとなく役に立つような気はします。しかし、きちんと費用対効果を考えるためにも、資格を取得するメリットを一度明確にしておきましょう。正直なところ資格を取るメリットを定量的に評価するのは難しいですが、どんな効果が得られるか知っておくことで、資格取得後のビジネスの進め方を決める参考とすることは可能です。

ビジネスの上で操縦技術に信頼を得られる

上でも紹介しましたが、資格を取得する一番のメリットは、顧客に操縦技術を信頼してもらうことができ、仕事を任せるために必要な「安心感」を与えられることです。

顧客からすれば、ドローンに関する仕事は安全にこなしてもらいたい一方で、仕事を依頼する前にドローンパイロットの技量を見極めるのは難しいため、何らかの基準を設けて技量を判断するしかありません。その基準として「資格を持っていること」はわかりやすく明快であるため採用されやすい基準です。つまり、発注側の社内規定として、「〇〇または△△の資格を有するドローン操縦者にしか仕事を発注してはならない」などのルールが存在する可能性は十分にあるということです。

資格を持っていることで、このような見えない壁を取り払い、仕事を得るための助けにすることが可能です。

操縦技術・知識を効率的に学べる

ドローン操縦の資格を取得するためには、ドローンスクールで研修を受講するのが基本です。ドローンスクールではドローンの操縦技能に加え、ドローンを飛ばすために知っておくべき知識(法律等)も学ぶことができます。

ドローンスクールは教育を提供する場なので、当然ながらカリキュラムはわかりやすよう体系的に整理されています。インストラクターがついて質問にも答えてくれるため、学習効率が高いです。時間をかければ自分自身で操縦技術を身につけたり、知識をつけたりすることも不可能ではないでしょうが、ドローンスクールで研修を受けるのに比べると何倍もの時間が必要です。

ドローンビジネスは急速に成長している途中のため、操縦技能や知識の習得に時間を掛けすぎると、その間に他社に仕事を取られてしまいます。ビジネスとしてスピード感を持って取り組むためには、学習効率の高いドローンスクールで学び、パイロットが稼働するまでの時間を短縮することは重要です。

国土交通省の飛行許可申請を簡略化できる

航空法では無人航空機(ドローン)の飛行に関し、人口集中地区上空など特定の空域で飛ばすためには国土交通大臣の許可が、目視外など特定の方法で飛ばすためには国土交通大臣の承認が必要になると定めています(実務上は地方航空局長に委任されています。)。これらの許可や承認を取得するためには、国土交通省に対し「飛行許可申請」を行う必要があります。

ドローン関連の法律を解説!航空法編
【航空法編】ドローン関連の法律を解説!200g規制や空域制限の根拠法

ドローンに関する法律は数多く、状況によって様々な規制があり複雑でわかりにくいです。初心者を含むドローンパイロットが法律を遵守してドローンを飛ばせるよう、ドローン規制法の中から航空法について規制内容や違反事例を紹介します。

そして国土交通省は、この飛行許可申請を簡略化するため、ドローン操縦技能を認定する一部の資格に対し「公認」を与えています。公認を得た資格の所有者は、飛行許可申請において一部の書類を省略できるというメリットがあります。

空撮などの分野では、人口密集地区の上空を飛ばす必要がある等、飛行許可を得る必要がある場面は多いです。ビジネスとしてドローンを扱う上で、飛行許可申請は避けて通れない道なので、その手間を省けるところにも資格取得のメリットがあります。

ドローン操縦の民間資格にはどんなものがあるか

ドローンの急速な普及に伴い、ここ数年でドローン操縦資格の数は急増しており、まだ淘汰が進んでおらず玉石混交なのが実情です。ドローンの資格は民間資格であり様々な団体が発行しているため、全容を把握するのも難しいです。

そんな中で一定の信頼を置ける資格は、上で説明した国土交通省の公認を得ている資格です。国土交通省の公認は一定の基準を満たさないと取得できないので、公認を得ている資格であればタチの悪いものは除外されていると考えて問題ないでしょう。

その中でも、資格の知名度が高くビジネス面で実用性が高いと言えるのは、以下に示す4つの資格です。

ポイント

ドローン操縦資格のうち実用性が高いのは以下の4種類です。

  • DJI JAPANが発行する「DJIスペシャリスト」他
  • ドローン操縦士協会(DPA)が発行する「ドローン操縦士回転翼3級」他
  • 日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が発行する「無人航空機操縦技能証明証」他
  • ドローン検定協会が発行する「無人航空従事者試験 1級~4級」

これらの資格はそれぞれに特徴があるため、取得する資格を決める際は以下のページを参考にしてください。

ドローンの資格にはどんな種類がある?JUDIA・DPA・DJIほか
ドローンの資格にはどんな種類がある?JUIDA・DPA・DJI等を解説

ドローンの操縦に関連する資格について、認定団体や法的背景も交えて分かりやすく解説しています。種類が非常に多いドローンの資格の中から、実用性の高いものを抽出し、取得方法、費用、有効期限、受講資格などを紹介します。

資格取得にはドローンスクールでの講習受講が必要

ドローンの操縦技能を認定する資格を取得するためには、基本的にドローンスクールで研修を受ける必要があります。ドローンスクールがどんな場所なのかは、以下のページで解説しています。

ドローンの学校?ドローンスクールとは何か
ドローンの学校?操縦技能と安全知識を学べるドローンスクールとは?

ドローンスクールとは、ドローンの普及に伴い今後不足するドローンパイロットとしての資格を習得できる学校です。ドローンスクールで勉強する内容や資格の有用性、スクールの選び方、受講費用、おすすめのスクール等の情報をまとめます。

ドローンスクールのカリキュラムは、ドローンの操縦技術を身につける「実技」と、ドローンに関する知識を学ぶ「座学」で構成されており、ドローンに関する体系的な学習が可能です。また、スクールによってはドローンを活用した点検ビジネスで使用する赤外線カメラの使い方や、ドローン測量で使用する解析ソフトの使い方など、ビジネスに直結する技能を教えているところもあります。

ドローンの資格取得は助成金の対象になる場合がある

効率よくドローンについて学べ、資格も取れて良いこと尽くめのように思えるドローンスクールですが、話はそう簡単ではありません。ドローン操縦の経験が浅い人の場合は、ドローンスクールで研修を受けるに際して約20万円~の受講料が必要になります。決して安いとは言えない金額です。

もちろん必要な出費ではあるため、少々高く付いてもドローンスクールに通うという考え方もアリですが、可能であれば少しでもコストは抑えたいところです。そこで活用したいのが、厚生労働省の「人材開発支援助成金」という助成金です。

ドローンスクールで資格を取る時は人材開発支援助成金を受給すべし!
【事業主向け】ドローンスクールで資格を取る時は人材開発支援助成金を受給すべし!

ドローンスクールで操縦資格を取得する際、要件を満たせば厚生労働省の人材開発支援助成金が支給されます。この助成金制度について解説し、申請するための条件や助成額の計算法やケーススタディ、申請の手続き方法などを紹介します。

この制度を利用すれば、自社の従業員にドローン操縦の資格をとらせる場合に、要件を満足すれば助成金を受け取ることができます。助成額は条件によって変わってきますが、ドローンスクールの受講料の半額以上が支給されることもあります。雇用保険の被保険者が講習を受ける場合に適用される制度であり、個人事業主も含め経営者側の人が資格を取る場合には対象になりませんが、要件を満たす場合はぜひ活用することをおすすめします。

ドローンスクールを選ぶときのポイント

2019年9月時点で、国土交通省の公認を得た資格を取得できるドローンスクールに限っても、日本全国で600校以上のドローンスクールがあるとされています。スクールによってカリキュラムも受講料も違うため、この中からどのスクールで資格を取得するか決めるのはなかなかに難しい作業です。

ドローンスクールの選び方
ドローンスクールの選び方!取得資格・アクセス・費用などの考慮事項

ドローンの資格を取得するために、どんなドローンスクールで学ぶべきか、選び方のポイントを紹介します。取得できる資格の種類や、ドローンビジネスへの精通度が特に重要です。また、資格の必要性や資格を取得する意義なども説明します。

ドローンスクール選びに迷ってしまったら、ぜひこちらのページを参考にしてください。ドローンスクールを選ぶにあたって注意すべきポイントを紹介しています。

取得資格別の主要なドローンスクール

ドローンスクール選びのポイントは先ほど紹介したページで詳しく解説していますが、ここではそれを踏まえた上でいくつかおすすめのドローンスクールを紹介しておきます。

ドローンスクール比較 おすすめを紹介します!
ドローン操縦スクール比較!取得資格や受講コースからおすすめを紹介

ドローンスクールで資格を取る際に湧く疑問を徹底解決します。ドローンを飛ばすための資格の必要性から始まり、資格を取得するメリット、実用性の高い資格、ドローンスクールの選び方、おすすめのドローンスクール等を解説しています。

また、おすすめのドローンスクールはこちらのページでより詳細に解説しています。地域別にドローンスクールをまとめたページもあるので、そちらもぜひ参考にしてください。

DPA認定資格を取得するならドローンスクールジャパン

ドローンスクールジャパン 東京中目黒校 ロゴ

ドローン操縦の民間資格にはどんなものがあるか」の項目でも実用性の高い資格として紹介したうちの1つである、「ドローン操縦士回転翼3級」を取得する場合は、「ドローンスクールジャパン(DS・J)」がおすすめです。ドローン操縦士回転翼3級を取得できるドローンスクールは全国に30項ほどありますが、そのうち20校以上がドローンスクールジャパンの系列校であり、圧倒的な実績を誇るためです。

その中でもK-kiがおすすめするのは、ドローンスクールジャパン東京中目黒校です。実はドローンスクールジャパンはフランチャイズ形式で運営されており、それぞれのスクールの運営会社が異なります。そういった環境の中で東京中目黒校は、ドローンビジネスで実績のある「スカイエステート」という会社が運営しているためビジネス面のノウハウが共有されやすく、また卒業後に仕事を得られるようなサポートもあります。

ドローンスクールジャパン東京中目黒校の外観
仕事に繋がる!ドローンスクールジャパン東京中目黒校の無料体験レポ

ドローンスクールジャパン東京中目黒校で無料説明会&操縦体験をしてきました。細かく質問して分かった、DS・J東京中目黒校の強みを解説します。ドローンビジネスに精通した会社が運営するスクールであり、資格を仕事に繋げられます。

こちらのスクールには以前取材に伺い、自社の強みや卒業後のアフターサービスなどについてお話を聞かせてもらいました。特に、ドローンビジネスに関して広い知見を持っている点には自身があるそうで、そのノウハウを共有することにも積極的な姿勢であったことが印象的です。

JUIDA認定資格を取得するなら日本ドローンアカデミー

日本ドローンアカデミー ロゴ

ドローン操縦士回転翼3級と並び実用性の高い資格に、日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が認定する「無人航空機操縦技能証明証」及び「無人航空機安全運航管理者証明証」という資格があります。これらの資格を取得できるドローンスクールは、2020年2月時点で全国に200校以上あり、スクールまでのアクセス面に強みがあります。

そんなJUIDA認定資格を取得したい場合は、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡、沖縄と全国に6校を展開する「日本ドローンアカデミー」がおすすめです。全国の主要都市に展開しているためアクセスが良いのはもちろん、このスクールでは現役の空撮オペレータが講師を務めるため、空撮の技術を身につけたい人にはまさにうってつけのスクールです。

また、実技訓練の時間を長く設定しているカリキュラムのため、操縦の練習をみっちりやって操縦技術を身につけたい場合にもおすすめできます。

農業分野に強みのあるドローンスクールジャパン アグラス野田校

農業分野は今後ドローンの活躍が急速に広まると期待されている分野です。農業分野でドローンを活用したい場合は、千葉県にあるドローンスクールジャパン アグラス野田校をおすすめします。

こちらのスクールは、全国でも数少ない、DJI製の農業用ドローン「AGRAS MG-1」の操作技術習得に特化した「スマート農業コース」を開講しているスクールなのです。農業分野におけるドローンの役割としては農薬散布が大きいですが、ドローンを使用すれば従来の無人ヘリコプタを使用する方法に比べて10分の1程度のコストで農薬を散布できます。大きな可能性を秘めた農業分野に参入する場合は、ぜひ検討したいスクールと言えます。

まとめ:研修を受けて資格を取り顧客から信用されるべし

今回はドローンに関連する研修を受けることで、ドローンパイロットの技能向上を図り、顧客の安心感を高めてビジネスを上手くすすめる、という観点で話を進めてきました。もちろん、ドローン操縦の資格を取るだけで仕事が得られるほど甘くはないのですが、ドローン操縦の資格取得者は既に国内で1万人を超えており、資格がないと土俵に立つことすら難しくなる状況も近づいてきています。

ビジネスでは何よりもまず「信用」が大切です。安くはないコストがかかるとは言え、資格を取ることで信用が得られるのなら、こんなに良い買い物はないでしょう。助成金などを上手く活用し、ぜひ資格を取ってみてください。

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K-ki

著者:K-ki 子供のころに作った模型飛行機がきっかけで航空宇宙の世界に足を踏み入れたエンジニア。HNは「けーき」と読みます。 好きなものは航空機(固定翼・回転翼・ドローンなど全般)と生き物・アクアリウム。

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