こんにちは!ドローンでは主に空撮をやっているK-ki(K-ki@Ailerocket)です。
ドローンをビジネスに活用する流れが、ここ数年で少しずつ増してきています。ドローンが活躍する分野は、最も知名度が高い空撮を始めとし、設備点検や農業、防犯など多岐にわたります。その中でも今後の成長が期待されている分野の一つに、ドローンによる測量、いわゆる「ドローン測量」という分野があります。
ドローンを測量に活用することにより、これまでの測量の課題であった「人件費」「人手不足」といった問題の解決が期待されています。そのため、測量の技術を持った人が、ドローンの操縦技術を身につけようとする事例も多いです。
そこで今回は、ドローンに関する知識や操縦技術を身につけるための講習を受ける場所である「ドローンスクール」の中でも、特にドローン測量に携わる人を対象に、ドローン測量に固有の技術を身につけられる、おすすめのスクールを紹介します。
ドローン測量のメリットと今後の展望
まずは最初に、ドローン測量にはどんなメリットがあり、今後どのように成長することが予想されているのか、概要を紹介しておきましょう。
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ドローンでの測量に資格は必要?ドローン測量士になる方法とは
ドローン活用分野の中でも特に今後の成長が見込まれる測量分野で活躍する「ドローン測量士」になる方法を説明します。測量分野が抱える問題とドローンでの解決法を示し、ドローン測量士になるために必要な資格や役立つ資格も紹介します。
なお。ドローン測量に関してより詳しく知りたい方は、併せてこちらのページも読んでみることをおすすめします。
ドローン測量の市場予測
こちらの画像は、インプレス総合研究所から発行されている「ドローンビジネス調査報告書2019」で紹介されているデータを引用したものです。ドローンによるサービス事業について、分野別に市場規模を予測しています。この中の「土木・建築」分野がドローン測量に相当します。
画像からわかるように、ドローンビジネス全体は拡大基調です。農業や点検分野がかなり急速に伸びるのに目が行きがちですが、測量分野も着実に伸びていくことが分かります。2018年度の市場規模が36億円なのに対し、2024年度には市場規模219億円、2018年度の6倍まで伸びると予想されており、十分な成長市場であると言えるでしょう。
もちろん、この予想には新型コロナウィルスの影響は含まれていないため、この通りの成長は難しいと思われます。しかしながら、少なくともこれだけの成長が見込まれるだけの基盤があることは確かであり、ドローン測量が大きな可能性を秘めているのは間違いありません。
ドローン測量の技術的な強み
従来の測量は、「三角測量」や「トラバース測量」と呼ばれる、基準点の位置から幾何学的な計算により別の点の位置を割り出す手法が主流です。これらの方法は点同士の距離やなす角を計測する必要があり、測量範囲が広くなると作業時間や人件費が膨大になる欠点があります。また、起伏の激しい地形や急斜面の測量では、距離を正確に測るのば難しいという問題もあります。
一方、ドローン測量では、「写真測量」や「レーザー測量」という手法が主流です。これらの手法では、ドローンに搭載したカメラやレーザー測距装置で取得したデータをソフトウェア処理し、地形データに変換することができます。従来の測量方法に比べると短時間で広範囲の測量ができる長所があり、測量に必要な人員を削減することが可能です。また、人間の立ち入りが難しい場所でも、ドローンなら上空からデータ取得し測量できるというメリットもあります。
このように、ドローン測量は従来の問題点を解決するにはもってこいの方法であり、技術的な見地からも今後の普及は確実と思われます。
ドローン測量に役立つ資格
ドローン測量を行うためには、いくつか役に立つ資格があります。ここでは、ドローン測量に関連する資格について簡単に紹介しましょう。
なお、技術者として「基本測量」、「公共測量」に従事するためには、国家資格である「測量士」又は「測量士補」の資格が必要です。これらの資格は必須であるため、以下の話は測量士又は測量士補の資格を持っている前提で、さらにあれば役に立つ資格、という観点で紹介しています。
ドローン操縦の民間資格
ドローン測量を行うためには、ドローンを操作する必要があるので当然操縦技術が必要です。また、ドローンの飛行は数多くの法律で規制されているため、ドローン関連の法律についての知識も必要です。さらに、機体にトラブルが起こった場合に適切な対処をするためには、ドローンに関する技術的な知識も必要になります。
このようなドローンを運用するために必要となる総合的な技術・知識があることを認定するのが、ドローン操縦の民間資格です。認定とは言っても、試験が主体というよりも資格取得までの講習がメインであり、資格を取得するために必要な技術・知識を学べる「ドローンスクール」という施設が全国に多数存在しています。
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ドローンの学校?操縦技能と安全知識を学べるドローンスクールとは?
ドローンスクールとは、ドローンの普及に伴い今後不足するドローンパイロットとしての資格を習得できる学校です。ドローンスクールで勉強する内容や資格の有用性、スクールの選び方、受講費用、おすすめのスクール等の情報をまとめます。
したがって、測量に関する技術が備わっている人がドローン測量に挑戦する場合には、ドローンスクールで体系的な知識・技術を学ぶのがおすすめです。ドローン操縦の資格は民間資格であり、ドローン測量を行うために必須なものではありませんが、体系的な学びを得られることからビジネス面での信頼は高く、仕事としてドローンを飛ばす上では重要性が高いです。
第三種陸上特殊無線技士
ドローンの飛行は数多くの法律で規制されていると書きましたが、その一つに「電波法」があります。航続距離の長い大型のドローンを飛ばす場合や、機体に搭載したカメラの映像を見てドローンを操縦する場合には、5.7GHz帯の電波を使用することがありますが、この周波数帯の電波を使用するためには「第三級陸上特殊無線技士」の資格が必要であると電波法で定められています。
したがって、ドローン測量を行う上でも、第三級陸上特殊無線技士の資格を持っていると、扱える機体・可能な飛行方法の幅が広がりより効率的・広範囲の業務に取り組むことができます。
普通自動車免許
ドローン測量に限った話ではありませんが、測量という仕事の性格上、僻地に移動することも多くあります。そのため、自動車を運転できないと移動手段が制約され、こなせる業務がかなり限定されてしまうのが実情のようです。
おすすめのドローン操縦資格
ドローン操縦の資格を取得するための講習では、ドローンの操縦技術やドローンに関連する幅広い知識を身につけられ、また資格を持っていることでビジネス上の信頼も得られることから、ドローン測量においてもドローン操縦資格は重要な役割を果たしています。一方で、ドローン操縦の資格は誕生からまだあまり時間が経っていないため、資格の統合・整理が進んでおらず多種多様なのが現状です。
ドローン操縦の資格を取得する場合、このような多数の資格の中からどれか一つの資格を選ぶことになるのですが、そのときに必ず気をつけておきたいポイントがあります。それは「国土交通省の公認を得ているか」という点です。
ドローンを特定の空域・飛行方法で飛ばすためには、航空法の規定に従い国土交通大臣の許可又は承認を得る必要があるのですが、この手続きを簡略化するため、国土交通省は一部の資格に対して公認を与えています。公認を得ている資格の所持者は、航空法に基づく許可・承認を得る際に提出すべき書類が一部免除されるという恩恵を得られるため、少なくとも国土交通省の公認を得ている資格の中から選ぶのが最低条件です。
しかし、国土交通省の公認を得ているドローン操縦資格も数十種類存在するため、そこからさらに絞り込むのは知識がないとやや難しいです。そこでここでは、国土交通省公認資格の中でも、実用性が高い資格として当サイトでおすすめしている3つの資格を紹介します。
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ドローンの資格はどれがおすすめ?主な資格4種類の目的別の選び方
多数あるドローンの資格から主要な4種(JUIDA、DPA、DJI JAPAN、ドローン検定)について、長所と短所を比較しながら取得すべき資格の選び方を解説します。また、資格取得のメリットやそれぞれの資格を取得するためのスクールも紹介します。
なお、ドローン操縦資格についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのページも併せて読んでみてください。
JUDIA認定「無人航空機操縦技能証明証」ほか
ドローン操縦資格の中でも、資格取得のためのドローンスクールの数が一番多く、普及度が高くて取得もしやすい資格が、日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が発行する「無人航空機操縦技能証明証」と「無人航空機安全運航管理者証明証」という2つの資格です。
JUIDAの資格を取得するためのドローンスクールでは、操縦技能を学べることはもちろん、ドローンに関する法律や技術など知識を学ぶことも重視しています。ビジネスとして安全にドローンを飛ばすためには、操縦技術だけでなく知識も必要になるため、特に法律面などでわからないことが多く不安を抱えている方におすすめします。
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ドローン操縦の資格を解説!JUIDA認定資格の特徴・長所や取得法は?
ドローン操縦の資格のうち日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が認定する「無人航空機操縦技能証明証」「無人航空機安全運航管理者証明証」等の資格を紹介します。他の資格に比べ未経験者が低コストで取得できスクール数が多いのが特徴です。
JUIDA認定資格やJUIDA認定ドローンスクールについては、こちらのページで詳しく紹介しています。
DPA認定「ドローン操縦士回転翼3級」
ドローン操縦士協会(DPA)が発行するドローン操縦士回転翼3級は、JUIDA認定資格と並んで知名度の高いドローン操縦資格の一つです。こちらの資格はより操縦技能に重きをおいており、DPA認定のドローンスクールでは、他の資格に比べて資格取得までに実機で練習できる時間が長く確保されています。
ドローンの操縦に自身がない人、自動操縦システムに頼ることが難しくマニュアルで操縦する必要性のある業務を担当する可能性が高い人には、こちらの資格の取得がおすすめです。
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ドローン操縦の資格を解説!DPAのドローン操縦士回転翼3級とは?
ドローン操縦の資格のうち、ドローン操縦士協会(DPA)が認定する「ドローン操縦士回転翼3級」を紹介します。資格取得の過程で操縦技能を磨くことに重点を置いたカリキュラムが特徴的です。DS・J東京中目黒校などで取得できます。
DPA認定資格とスクールについての詳細は、こちらのページを参考にしてください。
DJI JAPAN認定「DJIスペシャリスト」
DJIスペシャリストは、世界No.1のシェアを誇るドローンメーカー「DJI」の日本法人「DJI JAPAN」の傘下にあるUTC(Unmanned Aerial System Training Center)が企画する教育プログラム「DJI CAMP」に参加し、認定試験に合格することで取得できる資格です。
他の資格では、資格取得までの講習でしっかりと操縦技術と知識を身につけますが、DJI CAMPは講習よりもテストがメインであり、特に操縦技術についてはテスト本番の一発勝負です。操縦技術を身につけたいという人よりも、既に業務でDJI製のドローンを使用しており、技術・知識の証明として資格がほしいという場合におすすめです。
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ドローン操縦の資格!DJI CAMPで取得できるDJIスペシャリストとは?
ドローン操縦資格のうちDJI JAPAN株式会社が認定する「DJIスペシャリスト」「DJIインストラクター」等の資格を紹介します。DJI認定資格はDJI CAMPを受講し取得します。DJI CAMPは他のドローンスクールと比べ安価ですが難易度は高めです。
詳細はこちらのページも参考にしてください。
以降では、ここで紹介した3つのドローン操縦資格を取得できるドローンスクールの中から、特にドローン測量関連の講座が充実しており、ドローン測量を目指す人がドローン操縦資格を取得する、という場合におすすめできるドローンスクールを紹介します。ドローン測量はドローンを飛ばすだけでなく、関連するソフトウェアの使い方など勉強しなければならないことが多数あるため、ぜひ関連講座が充実しているドローンスクールを選んでください。
ドローンスクールジャパン 東京中目黒校
都内でドローンスクールを探している場合は、「ドローンスクールジャパン 東京中目黒校」がおすすめです。このスクールはDPA認定スクールであり、DPA認定資格の「ドローン操縦士回転翼3級」を取得することができます。
DPA認定スクールであり操縦技術をしっかりと身につけられるのはもちろん、このスクールでは卒業後に数多くのサポートを受けられるのが長所です。卒業後のサポートの中には、「測量・専用ソフト説明会」というものがあり、測量でドローンを使用する人向けの、ドローン測量や専用ソフトの操作方法、動画編集の基礎等を学ぶことができます。
ドローンスクールジャパン 東京中目黒校を運営している「スカイエステート」という会社は、ドローンを使った測量、空撮、設備点検など、ドローンビジネスの現場での経験が豊富な企業であり、現場で役立つノウハウも多く持っています。ドローンスクールの中には、スクールビジネスだけを行っており実務の経験がないところも多いですが、このスクールではその心配はありません。測量に関しても、現場で生きる知識を共有してくれることが十分に期待できます。
実はK-kiは、このスクールに直接出向いてお話を伺ったこともあります。ドローンビジネスの可能性や問題点についても詳しくお話を聞かせてもらい、ドローンビジネスに真摯に向き合っている会社であることがよく伝わってきました。
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仕事に繋がる!ドローンスクールジャパン東京中目黒校の無料体験レポ
ドローンスクールジャパン東京中目黒校で無料説明会&操縦体験をしてきました。細かく質問して分かった、DS・J東京中目黒校の強みを解説します。ドローンビジネスに精通した会社が運営するスクールであり、資格を仕事に繋げられます。
お話を聞かせてもらったときの様子はこちらにまとめています。ドローンビジネスの話をするだけでも非常に身になる時間を過ごせるので、まずは無料体験に参加してみることをおすすめします。
スクール名 | ドローンスクールジャパン東京中目黒校 |
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代表的なコース | フライトコース ビジネスコース |
受講日程 | フライトコース:2日間 ビジネスコース:2日間 |
取得できる資格 | DPA認定資格「ドローン操縦士回転翼3級」ほか |
受講料 | フライトコース:120,000円(税抜) ビジネスコース:200,000円(税抜) |
住所 | 東京都江戸川区松江5-7-13 |
運営会社・事業内容 | SKYESTATE株式会社(外壁調査、空撮、測量、太陽光パネル点検ほか) |
URL | https://sky-estate.com/lp/y3tdxkuy/ |
南進測量ドローンスクール
南進測量ドローンスクールは、ドローンスクールジャパン東京中目黒校と同じく、DPA認定資格を取得できるドローンスクールです。こちらのスクールは名前からわかるように、測量会社が運営しているドローンスクールのため、よりドローン測量の実践的な知識・技術を身につけることができます。
記事執筆時点(2020年6月時点)ではまだ準備中になっていますが、「UAV写真測量コース」という、ドローンを使って写真測量をするための、空撮の仕方、クラウド処理後のデータの利用の仕方、アプリの使い方など非常に実践的な内容が学べるコースも用意されるようです。アクセス面がクリアできる人であれば、有力な候補になるドローンスクールと言えるでしょう。
スクール名 | 南進測量ドローンスクール |
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代表的なコース | 基礎コース UAV写真測量コース |
受講日程 | 基礎コース:4日間 UAV写真測量コース:準備中 |
取得できる資格 | DPA認定資格「ドローン操縦士回転翼3級」ほか |
受講料 | 基礎コース:280,000円(税抜) UAV写真測量コース:準備中 |
住所 | 福島県耶麻郡猪苗代町千代田扇田4-7 |
運営会社・事業内容 | 株式会社 南進測量(測量、地質調査、UAV測量、空撮ほか) |
URL | https://nanshin-ds.com/ |
Dアカデミー
Dアカデミーは、JUIDA認定のドローンスクールで、全国に17校が存在しています。座学講義の中に、「i-Construction」という建築現場でICTを活用し生産性向上を図る取り組みについての解説を取り入れており、i-Constructionの一環として行われるドローン測量についても理解を深めやすい講習となっています。
JUIDA認定スクールのため、i-Construction以外にも法律など、座学面の講座が充実しているのが強みです。
スクール名 | Dアカデミー関東本部校 |
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代表的なコース | i-construction対応 JUIDA認定4日間コース |
受講日程 | 4日間 |
取得できる資格 | JUIDA認定資格「無人航空機操縦技能証明証」及び「無人航空機安全運航管理者証明証」 |
受講料 | 270,000円(税抜) |
住所 | 座学:神奈川県横浜市瀬谷区二ツ橋町134番地 三ツ境自動車教習所 実技:千葉県君津市荻作字打越139-1 君津DDFFドリームドローンフライングフィールド |
運営会社・事業内容 | Dアカデミー株式会社(空撮、測量、インフラ点検、機体製作ほか) |
URL | https://www.d-academy.co.jp |
ドローン測量向けのドローンスクールまとめ
今回は、特にドローン測量に焦点を当てて、おすすめのドローンスクールを紹介しました。上にも書いたとおり、ドローン測量はただドローンを飛ばすだけではなく、関連するソフトウェアの使い方、データ解析の方法など学ぶべきことがたくさんあります。ぜひ、関連講座の充実したドローンスクールを選ぶようにしましょう。
もしもドローンスクールの金額的な負担が気になる場合は、助成金が受けられる可能性もあるので、ぜひこちらのページを読んでみてください。
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【事業主向け】ドローンスクールで資格を取る時は人材開発支援助成金を受給すべし!
ドローンスクールで操縦資格を取得する際、要件を満たせば厚生労働省の人材開発支援助成金が支給されます。この助成金制度について解説し、申請するための条件や助成額の計算法やケーススタディ、申請の手続き方法などを紹介します。
また、今回紹介したもの以外のドローンスクールも比較してみたい、という場合は、ぜひ以下のリンク先を参考にしてください。
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ドローン操縦スクール比較!取得資格や受講コースからおすすめを紹介
ドローンスクールで資格を取る際に湧く疑問を徹底解決します。ドローンを飛ばすための資格の必要性から始まり、資格を取得するメリット、実用性の高い資格、ドローンスクールの選び方、おすすめのドローンスクール等を解説しています。
測量以外のドローン活用分野についても、おすすめのドローンスクールをまとめているので、興味がある方はこちらも読んでみましょう。
しっかりじっくり、納得の行くドローンスクール選びをしてくださいね!