送信機(プロポ)

ドローン・ラジコン飛行機向けプロポ(送信機)の選び方とおすすめ4選!

ドローン・マルチコプターやラジコン飛行機を飛ばすためには、ラジコン送信機(プロポ)を使用した操縦コマンドの入力が必要です。また、フライトモードの切り換えや機体データ(テレメトリー)の受信・確認にも役立ちます。

一方で、機能・性能の幅が広く種類も多いことから、どのプロポを使用すればよいかを決めるのは、特に初心者にとっては難しいことです。このサイトの運営者であるK-ki(K-ki@Ailerocket)も、当時はラジコン初心者でプロポ選びでは非常に迷いました。

このページでは、送信機(プロポ)を選ぶ際に気をつけるべきポイントやあると便利な機能、そしておすすめのプロポなどを紹介します。

プロポとは

はじめに、そもそもプロポとはどんな装置であるのかを説明しておきます。

まず「ラジコン」という言葉ですが、これは言うまでもなく「ラジオ コントロール(Radio Control)」 の略称であり、無線通信により遠隔操作する装置および方式で、RCと略されることもあります。このとき遠隔操作信号が操縦者手元の送信機から、操作される対象(ラジコンカーやラジコン飛行機と呼ばれるもの)に搭載されている受信機へと送られます。ラジコン界隈では、この送信機をプロポと読んでいます。

プロポという名称の由来は「プロポーショナル(propotional:比例)」であり、送信機の操作に比例してサーボモーターやスピードコントローラーが制御されることから、プロポと呼ばれるようになりました。このような名称で呼ぶのは日本独自で、海外では一般に「Transmitter(送信機)」やその略称である「Tx」などと呼ばれます。

プロポの種類

プロポには大きく分けて「ホイラータイプ」と「スティックタイプ」の2種類があります。ドローン・マルチコプター・ラジコン飛行機に関してはスティックタイプが主流ではありますが、一部ホイラータイプのプロポを使用するモデルもあります。それぞれについて簡単にまとめておきます。

ホイラータイプ

ホイラータイプのプロポは、トリガーと呼ばれる引き金のようなレバーを引くことでアクセルを、ホイールを回転させることでハンドルを操作します。つまり、ホイラータイプのプロポでは、車の運転に似た感覚でラジコンを操縦します。

車と操作感覚が似ていることもあり、ラジコンカーでは圧倒的なシェアを誇ります。しかし、ドローンやラジコン飛行機のように3次元的に移動する機体に対しては、操作軸が少なすぎるため基本的に使用されません。ただし、操縦を簡単にするため高度を自動制御してホイラータイプのプロポで操作する機体も一部に存在します。

スティックタイプ

スティックタイプのプロポはラジコンの誕生当初から存在し、飛行機の操縦桿のような2本のスティックを操作して機体を操縦します。スティックは親指で操作することが多いですが、繊細な操作を行う場合には親指と人差し指の2本で操作する場合もあります。

右スティック・左スティックそれぞれが縦方向・横方向に操作でき、この4通りの操作が基本になります。ホイラータイプよりも操作軸が多いため操縦が難しいですが、操縦の自由度は高いです。

特に空ものラジコンでは、スティック操作と機体挙動の対応関係に数種類のタイプがあり、それを「モード」と呼びます。例えばモード2では、右スティック縦操作がエレベーター、横操作がエルロン、左スティック縦操作がスロットル、横操作がラダーとなっていますが、モードが変わればこの対応関係が変化します。

ドローン・ラジコンヘリ・RCプレーン用プロポ 9XR PRO
プロポはモード1/モード2のどちらが良い?ドローン・ラジコンと実機の操縦比較

ドローンやラジコン飛行機の初心者は、操縦に使うプロポを選ぶ際にモード1のプロポを使うかモード2のプロポを使うか悩むと思います。プロポの操作モードや実際の飛行機の操縦方法を解説した上で、私がモード2を推奨する理由を紹介します。

詳しくはこちらのページにまとめているので、あわせて読んでみてください。

プロポによる操縦の仕組みと構成品

プロポ(送信機)と受信機の通信では、「チャンネル」ごとに一つの信号が割り当てられています。例えば、飛行機を操縦するためにはエルロン・ラダー・エレベーターの3舵とスロットルの制御が必要であり、それぞれに1つのチャンネルが割り当てられるので、最低でも4チャンネルでの通信が可能である必要があります。

マルチコプターの場合には、機体構造としてエルロン・ラダー・エレベーターなどを持つわけではないのですが、操縦方法としてはピッチ・ロール・ヨーの3軸操作+スロットルなので、飛行機と同様に4チャンネルで操縦可能となります。

受信機側は受け取った信号を解析し、舵面を動かすためのサーボモーターや、サーボモーターをコントロールするスピードコントローラーへ命令を送ります。高度なシステムでは、フライトコントローラーなどの制御用コンピューターが利用されることもあります。

送信モジュール

プロポの中でも実際に信号の送信を担う部分のことを、送信モジュールと呼びます。プロポには送信モジュールを交換できる「モジュール交換式」のものと、交換できない物がありますが、海外製のプロポを利用する場合、後述の電波法の関係もあり、送信モジュール(及び受信モジュール)は技適マークの付いたものを使用する必要があります。

国内メーカーの場合には、基本的に送信機本体と適合した送受信モジュールがセット販売されているので、あまり細かく気にする必要はありません。

受信モジュール(受信機)

送信機(送信モジュール)から発された信号を機体側で受信するのが受信モジュール(受信機)です。送信モジュールと受信モジュールの組み合わせは何でもいいわけではなく、通信規格により組み合わせの可否が存在します。

同一メーカーの送信モジュール・受信モジュールであっても必ずしも組み合わせられるわけではありませんし、通信は可能だが機能に制限がかかる場合などもあります。購入の際にはよく調べるか、割り切ってメーカー推奨の組み合わせにしてしまいましょう。また、送信モジュールと同様に、海外製品を使用する場合には電波法によく注意する必要があります。

電池・バッテリー

当然ですがプロポが動作するためには電力が必要です。電池式だったりバッテリー式だったりと様々ですが、プロポによっては別売りの場合があるので、購入時にはよく確認しておきましょう。

無線通信技術と電波法・技適マーク

プロポは無線通信で機体を操縦するため、電波法の規制対象となります。電波は有限希少な資源であるため、電波を利用したいからといって各自が好き勝手に使用すれば、電波資源が枯渇してしまいます。これを防ぐのが電波法で、ドローンを飛ばす際に注意すべき法律の一つです。ぜひ、以下のページで詳細を確認してください。

ドローン関連の法律を解説!電波法編
【電波法編】ドローン関連の法律解説!技適マークと周波数に要注意!

ドローンを規制する法律は数が多く内容も様々なためわかりにくいです。そこでドローン関連の法律から電波法を取り上げ、その規制内容や違反事例を紹介します。ドローンパイロットに限らずエンジニア・開発者も理解が必要な法律です。

電波法により、電波を発する場合は原則免許が必要となっていますが、周波数と出力によっては免許不要で使用できる場合もあります。その一つが「ISMバンド(アイエスエムバンド:Industry-Science-Medical)」のうち「2.4GHz帯」と呼ばれる周波数帯です。ISMバンドは、本来無線通信以外の産業(Industry)、学術(Science)、医療(Medical)向けに割り当てられた周波数帯ですが、使い勝手が良いため現状は無線通信の分野でも利用されています。マルチコプター・ドローン・ラジコン飛行機の操縦に使うプロポも、近年はこの周波数帯を使用するものがメインになっています。

免許不要のため、この周波数帯は「Wi-Fi」「Bluetooth」「電子レンジ」など様々な機器で使用されており、とても混み合った周波数帯になっています。そのため「2.4GHz帯」を利用した無線規格は混線しやすく安定した通信がしにくいのがデメリットです。

スペクトラム拡散通信

この問題を解決するため、通信信号を本来よりも広い帯域に拡散することで安定して通信可能とする「スペクトラム拡散」という技術が利用されています。スペクトラム拡散通信システムには、「DSSS」「FHSS」「DMSS」「FASST」「ACCST」などの方式があります。これらのスペクトラム拡散通信には多くの場合互換性がありません。そのため、プロポや送信・受信モジュール(受信機)を購入する際には、どの通信方式に対応できるのかをよく確認する必要があります。

スペクトラム拡散通信の方式は、基本的にはメーカーごとに異なりますが、一つのメーカーでも複数方式の送受信機を扱っている場合もあります。以下に、プロポメーカーと代表的なスペクトラム拡散通信方式の対応関係を表にまとめておきます。

メーカー スペクトラム拡散通信方式
フタバ FASST、S-FHSS、T-FHSS
JR DMSS
Hitec AFHSS
Spectrum DSSS
Frsky ACCST

日本での電波使用には「技適マーク」が必要

技適マークは、電波法で定められた技術基準に適合している無線機であることを証明するマークで、個々の無線機に付けられています。上で説明した2.4GHz帯の無線機の場合、技適マークがついていれば免許不要で使用できます。逆に言えば技適マークがないと免許が必要になるため、ラジコン送信機の購入時にはよく確認する必要があります。

国内向けに販売されているプロポであれば技適マークがついていることがほとんどです。しかしネット通販では海外メーカーのプロポが輸入販売されていることも多く、海外向けのプロポは日本の法律への準拠を考慮していないため、技適マークがついていないことも多いです。

電波法では、技術基準に適合しない無線機を販売することは規制せず、使用することを規制しています。そのため、技適マークの付いていないプロポを購入して使用した場合、その責任は全てユーザーにあることになってしまいます。ここにつけ込み、国内では実質使用不可とも言える技適マークが付いていない海外メーカーのプロポを販売している業者もいるため、海外のプロポを購入する際には、技適マークの有無についてよく確認する必要があります。

受信機とモーターの通信・配線

無線通信によって送信機から受信機へと送られた信号は、有線通信によってモーターへと送られ、モーターを回転させます。この有線通信によるモーターの制御方式にも様々な規格があり、プロポ(特に受信モジュール部分)を選ぶ際には確認しておく必要があります。代表的な制御方式について解説します。

PWM

ラジコン飛行機やドローンのモーター・サーボの制御方法として、代表的なものにPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)という制御方法があります。これは、ON/OFFを繰り返し切り替える信号(パルス信号)のON時間(パルス幅)を調整して情報を伝える方法で、モーターの制御方式としては古典的なものです。

以下で紹介するPPMと併せて、リンク先でモーター制御の基本的な考えを解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。

PPM

PPMはPulse Position Modulation(パルス位置変調)の略であり、PWMと同様にパルス信号によって情報を伝達する方法です。PWMではパルス幅を変化させますが、PPMの場合はパルス幅は一定でパルスが立ち上がるまでの時間(=パルス位置)を調整して情報を伝えます。

PPMを発展させた方法に、PPM-SUMやCPPMとも呼ばれる制御方式があります。これは、複数のPPM信号を決まった順番で送信することで、1本のケーブルで複数の信号を扱えるようにしたものです。例えばクアッドコプターのような4個のモーターを使用する機体であれば、受信モジュールから各モーターへの信号を取り出すためには4本のケーブルが必要になりますが、CPPMに対応していれば、1本のケーブルで4個のモーターに対する信号を取り出すことができるようになります。

もちろん、最終的には各モーターへ制御信号を伝える必要があるため、4本のケーブルは必要になります。しかし、受信モジュールからモーターまでの間にフライトコントローラーを挟むようなシステム構成の場合は、フライトコントローラーと受信モジュール間のケーブルを1本にすることが可能です。本来であれば、受信モジュールとフライトコントローラー間で4本、フライトコントローラーとモーター間で4本のケーブルが必要になるところ、CPPMを利用すればケーブル配線をスッキリとまとめることが出来るようになるのです。

ちなみに、PPM-SUM encoderと呼ばれる装置を使えば、PWM信号をCPPM(PPM-SUM)信号に変換することも可能です。

S.BUS

S.BUSはフタバ製・Frsky製の製品で使用される制御方式で、PWMやPPMがアナログ信号での制御であったのに対し、デジタル信号を使うことでより正確で外乱に強い制御が可能となっています。

S.BUSでは、最大18チャンネルまでの信号を1つのケーブルで管理することが出来ます。また、S.BUSを拡張してセンサー類から受信機への信号送信も可能にすることで、テレメトリー通信に利用できるS.BUS2というシステムも存在します。

XBUS

XBUSはS.BUSのJR版というイメージです。最大14チャンネルの信号を1つのケーブルで管理することが出来ます。

飛行機用プロポとヘリ用プロポの違い

プロポによっては「飛行機用」「ヘリ用」という分類がされているものがあります。飛行機用プロポとヘリ用プロポの主な違いは、スロットルスティックの操作感です。

機体の姿勢によって細かくスロットルを調整する必要のあるヘリでは、スロットルスティックが滑らかに動くようになっています。それに対し飛行機用では、スロットル出力を一定にして飛行速度を安定させるため、スロットルスティックを細かく固定できるようになっています。そのため飛行機用のプロポでは、スロットルスティックはガリガリと動く感じになります。

マルチコプターの運動特性では、ヘリと同じく機体の姿勢に応じたスロットル調整が必要なので、マルチコプターのドローンを操縦する場合にはヘリ用プロポを使用します。なお、ソフトウェアの設定とスティック部分のラチェット板交換により、プロポを「ヘリ用→飛行機用」「飛行機用→ヘリ用」と切り換えることも出来ます。

プロポ選びの決め手になる機能・性能

プロポは機能・性能が非常に多岐にわたり、比較しようとしてもどこを見ればよいのか初心者にはわかりづらいと思います。そこで、プロポ選びのときに特に注意スべき機能・性能について以下にまとめておきます。

周波数帯と電波法・技適

上にもかいたように、無線通信では電波法に準拠することが非常に重要です。そのためにも、必ず技適マークの付いた送信機・受信機を使用してください。

ドローン・マルチコプターやラジコン飛行機の操縦で使う周波数帯には、27MHz帯、40MHz帯、72MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯、があります。この内5GHz帯は海外メーカーのプロポでよく使われる周波数帯ですが、日本では電波法違反となるので避けましょう。基本的には2.4GHz帯のプロポを使用するのが良いでしょう。

チャンネル数

上にも書きましたが、航空機の操舵はピッチ・ロール・ヨーの3軸操作+スロットルで、4チャンネルは必須です。これに加えて機体の制御モード(フライトモード)の切替えや、空撮する場合にはカメラジンバルのチルト操作、シャッター操作などに使うサーボモーター用のチャンネルも必要になります。

せっかくフライトコントローラーやフライトコード(飛行制御プログラム)が高度なものであっても、プロポのチャンネル数が少ないと機能を使用することが出来ず、性能を引き出すことが出来ません。4チャンネルのプロポでは、本当に単純なラジコンとしての操作だけしか出来ず、近年のドローンが持つ優秀な自律飛行機能は使用できないでしょう。マルチコプターを使って多様なフライトを行うのであれば、最低でも8チャンネルは必要です。

PPM・S.BUS・XBUS

機体側の配線を簡略化するためにも、PPM、S.BUS、XBUSのいずれかに対応した通信・制御システムであることが望ましいです。特にヘキサコプターやオクトコプターのようにプロペラの枚数が多い機体では、配線を簡略化しないと非常に扱いづらくなってしまいます。

テレメトリー機能

テレメトリー機能は、飛行中の機体の情報を地上にいながら確認できる機能です。テレメトリー情報専用に通信機を用意する場合もありますが、日本の電波法に適合したテレメトリー専用通信機はほとんど存在せず、プロポにテレメトリー機能をもたせることが多いです。

テレメトリー機能を持ったプロポでは、送信機から受信機に信号が送られるだけでなく、受信機から送信機側へと機体の情報(バッテリー残量や位置、速度、姿勢など)が送られます。送られた情報はプロポ上のディスプレイに表示され、パイロットは地上にいながら機体の情報を知ることができ、機体の状況を考慮して操縦することが出来ます。

トリム機能

トリム機能は、プロポを操作していないとき(ニュートラル状態)にどのような信号を出すかを設定できる機能です。マルチコプターの場合、トリムの設定をしていなければ、ニュートラル状態ではピッチ角・ロール角・方位角レートがゼロ、スロットルは50%となってホバリングを行います。

これに対してトリムを設定すると、プロポのスティックを操作しなくても機体が動くようになります。例えばピッチトリムを前にずらせば、手を離していても機体は勝手に前進します。このようにトリム機能は、ニュートラル状態での機体に対する操縦コマンドを指定する機能です。

トリム機能を使うことで、機体の組み上げ時にバランスが崩れていた場合や、カメラ等を搭載して重心位置がずれた場合に、ニュートラル状態で安定したホバリングを行うように調整することもできます。

ミキシング機能

ミキシング機能は、あるチャンネルの信号を複数の操作系統から操作できるように設定する機能です。例えば、エルロン操作(ロール角)にラダー操作(方位角)を関連付け、上手く旋回できるように設定する場合などがあります。他にも、フライトモードの切り換えなどでミキシング機能は非常に役立ちます。高機能化するプロポ・ドローンをうまく操作するために重要な機能といえます。

音声再生機能

プロポの中には、状況に応じて音声で情報を伝えてくれるものもあります。例えば、フライトモードの切り換えやバッテリー電圧の低下時などに、音声で警告を行ってくれるような状況が想定されます。類似した機能として、振動で警告を発するバイブレーション機能が搭載されているプロポもあります。

おすすめのプロポ

ここまでに紹介したプロポの選び方を踏まえ、以下でおすすめのプロポを紹介します。ここで紹介するプロポは基本的に上記の機能は一通り備えているので、どれを選んでも満足のいくフライトを行うことができるでしょう。値段や好みのメーカーなどに応じて選んでください。

以下に挙げているプロポの中では、日本語の説明資料が充実していてカスタマーサポートにもある程度期待できるのが日本メーカー製の前半2つ、情報はほとんど英語になってしまうものの世界レベルではユーザー数が多く、オープンソースのファームウェアにより非常に細かい設定も可能になるのが海外メーカー製の後半2つです。自分の好みに合う方を選択してください。

T10J(フタバ)

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T10Jは日本メーカーの「フタバ(FUTABA)」が販売しているプロポです。10chと十分なチャンネル数を有し、テレメトリーデータの読み上げも可能です。T-FHSSのスペクトラム拡散通信システムに対応した受信機「R3008SB」がセットになっていて、S.BUSにも対応しています。実売価格は3万円弱~です。

世界的にも評判の良いフタバの製品であり、値段も手頃、ユーザーも多くて情報量も豊富なため、おすすめできるプロポの筆頭といえます。2014年2月発売の比較的新しいモデルなので、今後も十分長期間に渡って使えるでしょう。

T16 Pro(Jumper)

中国メーカーのJumperが販売しているT16 Proは、「マルチプロトコル対応」がウリのプロポです。マルチプロトコルというのは、送信モジュールと受信モジュール間の通信規格(プロトコル)を切り替えられるという意味です。

このプロポはモジュール交換式ではありませんが、このマルチプロトコル対応によってほとんどの受信機と通信が可能になっており、むしろプロトコルに応じてモジュールを交換する必要がない分、コスト・手間の面で優れています。中国製のプロポですが、技適マークも取得しており、日本国内での使用に気を配ってくれているのが嬉しいところです。

ロットによってファームウェアが異なるようですが、次に紹介する「TARANIS X9D PLUS」と同じくOpenTXというオープンソースのファームウェアを搭載しているものもあり、拡張性も高く人気のあるプロポになっています。

TARANIS X9D PLUS(Frsky)

Frskyは中国のラジコンプロポメーカーです。このTARANIS PLUSは、OpenTXというオープンソースのファームウェアを搭載したプロポで、世界的にも非常に人気が高いです。日本での実売価格は送信機本体のみ(送受信モジュール除く)で3万円代後半~ですが、ebayなどの海外通販を利用すればさらに安く購入できる場合もあります。ファームウェア「OpenTX」については、以下の記事で詳細に解説しています。

OpenTX(ラジコン送信機・プロポ用ソフト)の使い方とインストール・設定方法

ドローン・マルチコプター・ラジコン飛行機などを操作する送信機(プロポ)には様々な種類があります。中でも、オープンソースソフトウェアのOpenTXは、細かい設定が可能で世界的に人気です。OpenTX対応のプロポやソフトのインストール方法を紹介します。

OpenTXに対応したプロポは数種類ありますが、その中でもTARANIS PLUSは最も人気が高く、情報量も多いプロポなので、英語さえ読めれば初心者でも使いこなすことができるでしょう。個人的にはかなりおすすめしたいプロポです。

9XR PRO(Turnigy)

9XR PROは、こちらも中国のラジコンメーカー「Turnigy」が販売しているプロポです。Frsky TARANISと同じくOpenTXに対応していますが、安ければ本体のみだと1万円以下で入手できるというコストパフォーマンスの高さが売りのプロポです。

私は現在この9XR PROをメインで使用していますが、OpenTXのおかげもあり思い通りの設定ができて非常に使いやすいです。また、この価格帯でテレメトリー情報を表示できるというのも素晴らしい長所です。TARANISほどではありませんが、9XR PROもユーザーが多く情報が充実しているため、英語が読めれば困ることはあまりないと思います。

送信モジュール・受信モジュールのおすすめ

上で紹介したTARANIS PLUSや9XR PROのような海外メーカーのプロポは、基本的に送受信モジュールが同梱されていません。従ってここでは、TARANIS PLUS・9XR PROと併せて購入する必要のある、送信モジュールと受信モジュール(受信機)のおすすめを紹介します。(私が実際に使っている送受信モジュールです。)

これら海外製のプロポに対応した送受信モジュールを購入する際には、技適マークの有無をよく確認しておく必要があることに注意してください。

DJT(Frsky)

FrSky Module DJT 2.4Ghz for JR w/Module & RX

FrskyのDJTは、TARANIS PLUS、9XR PROの両方に対応した送信モジュールです。Frskyの製品ではありますが、JRの送信モジュールと互換性があります。Amazonや楽天で販売されているDJTに技適マークがついているかは未確認ですが、少なくとも「AirCraft」というネットショップで販売しているものについては技適マークがついていることを確認済みです。

下で紹介するD8R-XPと組み合わせれば、テレメトリー情報を取得することも可能です。

D8R-XP(Frsky)

DJTに対応した受信機で、簡単にテレメトリー情報を取得することができるおすすめの受信機です。チャンネル数も8chと必要十分な数を備えています。DJTと同じく、AirCraftで技適マークが付いたものを購入可能ですが、AirCraft以外のショップについては、技適マークがついているかどうかは未確認です。

D8R-XPに似た受信機として「D8R-II Plus」というものもあります。この受信機では本来テレメトリーデータのやり取りが出来ないのですが、D8R-XPのファームウェアを書き込むとテレメトリー通信も可能となります。

ただし、技適マークは無線機を改造すると無効になるとされており、ファームウェアの書き換えが改造に該当するかどうかが不明確なので、D8R-II PlusよりもD8R-XPを使用するほうが推奨されます。

プロポの選び方のまとめ

今回はドローン・マルチコプターやラジコン飛行機を操縦する上で欠かすことの出来ない、ラジコン送信機(プロポ)について解説しました。色々な機能・性能があり、判断が難しいと思いますが、まずはおすすめの中から1つ選ぶだけでも十分満足できる結果が得られると思います。良いプロポを入手して、快適なフライトを楽しんでください!

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K-ki

著者:K-ki 子供のころに作った模型飛行機がきっかけで航空宇宙の世界に足を踏み入れたエンジニア。HNは「けーき」と読みます。 好きなものは航空機(固定翼・回転翼・ドローンなど全般)と生き物・アクアリウム。

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